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オオカミと犬のDNAは99%同じ?遺伝・寿命・飼育環境を徹底解説

  • 執筆者の写真: WANMART
    WANMART
  • 14 時間前
  • 読了時間: 12分

2023年最新研究でわかった!

オオカミとワンちゃんは遺伝子的に“ほぼ同じ”だった!


2023年に発表された複数の研究により、オオカミと犬は、なんと遺伝子の約99%が一致

遺伝子レベルでは、ほとんど同じ動物なのです。

この結果は、犬が約1万5千年前〜2万年前に野生のオオカミから分岐し、人間と暮らすようになったことを裏付けるものです。


オオカミと小型犬

ワンちゃんの祖先は「灰色オオカミ」

現在の家庭犬(イエイヌ)は、グレイウルフ(灰色オオカミ)が祖先とされています。 ただし、どの地域のオオカミが最初に「イエイヌ化」したのかについては、アジア説・中東説・ヨーロッパ説など、さまざまな学説があります。

最新の研究では、犬の祖先は複数のオオカミの集団と交配・分化を繰り返しながら進化した可能性が高いと考えられています。


遺伝子の「ほんのわずかな違い」で性格が変わった

オオカミとワンちゃんのDNAの違いはわずかですが、そのわずかな違いが性格や行動の大きな変化を生み出しました。

特徴

オオカミ

ワンちゃん

社会性

群れで暮らす(序列重視)

群れにも人にもなつく

警戒心

強い(野生の本能)

弱い(人に慣れやすい)

繁殖力

年1回・限られた時期のみ

年に複数回・幅広い環境で繁殖可能

表情筋

限定的

眉を上げて「かわいく見える」表情ができる(人間に好まれやすい進化)

特に表情の進化については、ワンちゃんが人間の感情に訴えかけやすくなった結果だと言われています。


共通点がいっぱい!オオカミとワンちゃんの似ているところ


  • においで世界を把握する能力(嗅覚の鋭さはほぼ同じ)

  • 家族との絆を大事にする性質

  • 縄張り意識やリーダーへの服従心

  • 食性:基本は肉食、でも雑食的にも対応可能


遺伝子だけじゃない!行動学でも証明

行動学の分野でも、オオカミとワンちゃんには似たような特徴がたくさん観察されています。


  • お互いの気持ちを読む「社会的知能」

  • 仲間との協力行動(群れでの狩りや協調性)

  • 幼少期に人や仲間と触れ合うことで性格が変わる「社会化期」の存在


つまり、ワンちゃんに見られる多くの行動は、オオカミ時代から受け継がれてきたものなのです。


ワンちゃんはオオカミのやさしい進化形

見た目や性格こそ違いますが、ワンちゃんとオオカミは非常に近い存在です。

まるで「野生と家庭をつなぐ橋」のように、ワンちゃんたちはオオカミの本能を少しずつ和らげながら、人間と共に暮らすパートナーとして進化してきました。


私たちがワンちゃんと心を通わせられるのは、「オオカミの知性や絆を今も受け継いでいるから」なのです。


オオカミとよく似た大型犬

オオカミの寿命はどれくらい?

~野生と動物園ではこんなに違う~


野生のオオカミの寿命:5〜7年

野生で暮らすオオカミの平均寿命は5〜7年程度と、意外と短いのが実情です。 これは彼らが生きていくために直面する、さまざまな「生存リスク」が原因です。


自然界でのリスクとは?


  1. エサの不安定さ

    • オオカミは主にシカ、イノシシ、ウサギなどの動物を群れで狩って食べています。

    • しかし、天候や季節、獲物の移動などで常に食料が手に入るとは限らず、飢えによる死亡も珍しくありません。


  2. 縄張り争いや他の動物との衝突

    • オオカミ同士、あるいはクマやピューマなど他の捕食者との競合があります。

    • 縄張りをめぐる戦いはケガや命を落とす原因になることも。


  3. 病気やケガの治療ができない

    • 感染症(ジステンパー、狂犬病など)や寄生虫が蔓延する地域もあります。

    • ケガをしても手当てを受けられず、狩りができなくなって衰弱死することもあります。


  4. 人間の影響

    • 森林伐採、道路開発、狩猟などによって生息地が減少し、生存が難しくなることも。

    • 一部の地域では害獣として駆除されるケースもあります。


荒野をかける野生のオオカミ

動物園など飼育下のオオカミの寿命:10〜15年

一方で、動物園や保護施設で暮らすオオカミは、10年~15年、長い場合は17年程度まで生きることもあります。 この寿命の差は、人の手によって守られているからこそ実現しています。


なぜ長生きできるのか?

  1. 安定した食事管理

    • 毎日必要な栄養が摂れるよう、生肉・内臓・骨つき肉などをバランスよく提供

    • 餌切れの心配もなく、飢えに苦しむことはありません。

  2. 医療ケアが充実

    • ワクチン接種、寄生虫駆除、定期健康診断など、獣医による予防・治療が受けられます。

    • 小さな異変もすぐに発見され、対処が可能です。

  3. 外敵から守られた環境

    • 捕食される心配もなく、縄張り争いによるストレスも最小限。

    • 群れは慎重に構成され、ケンカによるケガも抑えられています。

  4. ストレス対策(エンリッチメント)

    • 餌の隠し場所を変えたり、おもちゃを使ったりすることで、野生に近い刺激が与えられています。

    • 精神的な充実が健康寿命の延長にもつながっているのです。

動物園でのオオカミの給餌と栄養管理


主なエサの種類と内容

動物園ではオオカミは完全肉食動物として扱われ、牛肉・馬肉・鹿肉・鶏肉など様々な生肉が給餌されています。 内臓(ハツやレバーなど)やも重要なエサで、カルシウム補給や歯の健康維持に役立ちます。


例えば大阪・天王寺動物園では1頭あたりニワトリ1羽(約1kg、骨付き)と牛肉600gを毎日与えています。

そのほか園によってはウサギやヒヨコなどの丸ごとの小動物、魚類、卵などを与える例もあります。

必要に応じて市販のイヌ科動物用ペレット(ドッグフード)や特別な栄養食を併用する園もあり、特に高齢個体には柔らかく浸したドッグフードが食べやすいため補助的に与えられています。


エサの調理方法と与え方

寄生虫予防や保存のため、一旦冷凍した肉を解凍して使うのが一般的です。


また大きめの塊で与え、オオカミ自身に引きちぎらせて食べさせる工夫をする園が多いです。

例えば鶏は頭部と脚を切り落とし、内臓と羽毛を除去した状態で与えるのが一般的で、これにより消化しにくい部分を取り除きつつも骨付きの肉として齧らせます。


若く健康なオオカミは骨も難なく噛み砕きますが、高齢の個体には肉を細かく刻むなど食べやすい形状に調理する配慮がなされます。


なお、一部の海外施設ではシカやウシの大型の死肉を丸ごと与え、オオカミが群れで解体・貯食する様子を再現する給餌も行われています。


人間に餌をもらって喜ぶ動物園のオオカミ
動物園のオオカミ (イメージ)

給餌頻度と絶食日の設定

飼育下のオオカミには、毎日1回の給餌が基本ですが、週に1~2日程度の絶食日を設ける園が多いです。

天王寺動物園でも毎週月曜はオオカミを含む肉食獣の絶食日としており、これは「野生では狩りが不成功だと数日食べられない状況が続くため、空腹の期間を再現したほうが健康長寿につながる」という考えに基づいています。


通常の一日の給餌量は成獣1頭あたり約2~5kg程度(体重や健康状態によって調整)とされ、肥満防止のため前述の絶食日に加えて給餌量の厳密な管理が行われます。


一方、野生に近い広い環境で飼育する海外の施設では、週に1~2回の頻度でまとめて大量の餌を与え、残した肉をオオカミが隠す(貯食する)まで含めて自然な行動を引き出す方法も取られます。 その場合も給餌日の間隔や時間を不規則にすることで、動物が過度に時間を予期してストレスを感じないように工夫しています。


栄養バランスへの配慮と補給

生肉主体の餌では不足しがちなビタミンやミネラルの補給にも注意が払われています。 多くの動物園では、与える肉に市販のビタミン剤やカルシウム剤を適量混ぜて栄養バランスを調整しています。


特に筋肉ばかり与えるとカルシウム不足に陥るため、骨付き肉を与えてカルシウムとリンのバランスを確保する工夫があります。

鳥の首など軟骨部分ばかりではリン過多になる恐れがあるため割合に注意し、様々な種類の肉や内臓を組み合わせて多様な獲物に近い栄養組成を目指します。


市販の大型肉食獣用の配合飼料(例えばネコ科用フードや特製のイヌ科用キブル)を併用する園もあり、これらには必要なビタミン・ミネラルが添加されているため栄養管理に有用です。


ストレス軽減と本能刺激のための給餌工夫

多くの動物園で、給餌そのものが環境エンリッチメントの機会とされています。 野生のオオカミは自ら獲物を探し、追い詰め、噛みちぎって食べます。 この本能的行動を満たすため、飼育下でも餌の与え方に変化をつけています。


例えば、天王寺動物園では肉の塊をダンボール箱に隠すことで、嗅覚を使って探し出す行動を引き出しています。

また、名古屋市東山動植物園では定期的にオオカミに牛の大腿骨や肋骨を丸ごと与えています。

大腿骨は中の骨髄を舐め取るのに数日かかり、オオカミは夢中でガリガリとかじります。

このような骨をかむ行為は顎の筋肉を鍛え、歯と歯茎の健康にも役立つとされます。


そのほかにも、園内の複数箇所に肉片を分散して隠す、肉を高所に吊るして跳びつかせる、凍った肉や血氷(フローズンフード)を与えて時間をかけて舐めさせるなどの手法が用いられています。

これらの工夫により、オオカミの探索欲求や咀嚼欲求が満たされ、飼育環境下での退屈やストレスを軽減しています。



給餌と健康チェック(体重・食欲・排泄管理)

給餌の場面はオオカミの健康状態を把握する重要な機会でもあります。 食欲の有無や食べる速度は日々観察され、食べ残しがあれば体調不良の兆候として注意されます。 各個体が適切に餌を摂れているか、特に群れ飼育の場合は下位の個体が餌を奪われていないか飼育担当者が目を光らせます。

必要に応じて餌の量を調節したり、競争の激しい場合は別々に給餌するなどして全個体の栄養摂取を確保します。


また、定期的な体重測定も健康管理の一環です。 大阪・天王寺動物園ではターゲットトレーニングを活用してオオカミを自発的に計量器に乗せる訓練を行い、メスの「ララ」は日常的に体重測定が可能になりました。

これにより体重の増減を記録し、ダイエットや給餌量の見直しなど迅速な対応が可能です。


毎朝の掃除時には糞便の状態も確認され、ゆるさ・硬さ、異物の有無(骨片が消化されず残っていないか)、寄生虫の卵の検出などがチェックされます。

国際的な飼育基準でも定期的な糞便検査や年1回程度の健康診断時の血液検査が推奨されており、餌を通じて得られる情報(食欲不振、偏食傾向、排泄物の変化)は総合的な健康管理に役立てられています。


体重計に乗るオオカミ
定期的な体重測定 (イメージ)

給餌時の行動観察と群れの把握

オオカミは社会性の高い動物であり、給餌のタイミングは群れの行動観察に最適な機会です。 餌を巡るオオカミ同士のやり取りから、個体の性格や群れ内の序列が読み取れます。

一般に優位な(ボスの)個体が真っ先に餌を獲得し、劣位の個体は距離を置く傾向があります。


カナダのハリバーンドン野生保護区では、餌やりを見学できる場所で一度に大量の餌を与え、群れ内の順位づけ行動を来園者にも観察させています。

そこでは5頭のオオカミにビーバー5頭分(35~50ポンド)または大型のシカ1頭分を与え、各個体の食べ方や隠し方から序列関係が確認できると報告されています。


日本の動物園でも、例えば群れで飼育している場合は誰が餌を独占しやすいか譲り合いの様子などを飼育員が注意深く見守っています。

ある園では雌オオカミが用意した牛骨を2本とも独り占めし、他個体に渡さなかった例もあり、こうした行動から群れ内での力関係が浮かび上がります。


給餌時の争いや逆に協調的な行動は、個体ごとの性格評価にも繋がります。

また、餌をくわえて隠す行動(貯食)や、遠吠えして仲間を呼ぶ仕草が見られる場合もあり、飼育下でもオオカミ本来の社会行動を引き出す大切な場面となっています。


以上のように、給餌はオオカミの栄養補給だけでなく、本能行動の発現や健康・社会関係のモニタリングなど多面的な役割を果たしています。



「老いたオオカミ」はどんな暮らしをしている?

高齢になったオオカミは、歯がすり減ったり筋力が衰えたりしますが、動物園ではそうした個体にやわらかい餌や段差の少ない飼育スペースが用意されます。


高齢のオオカミには消化吸収を助ける高栄養の特別食が与えられることもあり、浜松市動物園では、老齢のメス狼「メイ」に対し、好物を中心に栄養価の高い特別メニューを与えて体力維持に努めています。


また、他の群れから分けて穏やかな環境で余生を過ごす配慮も行われており、「最期まで見守られる」安心な老後があるのです。


人になつく年老いたオオカミ

寿命の差が示す、人の関わりの意味

野生のオオカミが生きる世界は、まさに「弱肉強食のサバイバル」。一方、動物園という環境は、人間がオオカミの命を守るために整えた「安全で豊かな世界」とも言えます。

この寿命の差は、「野生」と「保護された環境」がもたらす違いをはっきりと表しています。

動物園では、オオカミの本来の習性を尊重しながらも、命をできるだけ長く、豊かに保つ工夫がされているのです。


野生のオオカミと人間に育てられたオオカミ

 「本能に寄り添った食事」とは?

オオカミの時代から受け継がれる、「動物の全身を食べる」という本能。

それは、筋肉だけでなく、内臓や血液、骨に含まれる栄養素をまるごと摂ることが、命を支える鍵であることを意味しています。


WANMARTのPERFECTシリーズは、その知恵を活かしたフレッシュフード。

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引用・出典

天王寺動物園(大阪市)

東山動植物園(名古屋市)

海外のオオカミ飼育レポート(Zoocheck Canada)

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