愛犬の手作りご飯について①
- WANMART

- 2025年6月26日
- 読了時間: 23分
更新日:2025年7月3日

ワンちゃんの“ごはん”を手作りしてみませんか?
「市販のドッグフードって、本当にうちの子に合ってるのかな…」
「もっと安心できるごはんを食べさせてあげたい」
そんな風に思ったこと、ありませんか?
最近では、ワンちゃんの健康を第一に考える飼い主さんの間で“手作りごはん”が注目されています。 使う食材や調理法を自分で選べるため、アレルギー対策や好みへの配慮もできるのが魅力。でも同時に、こんな疑問や不安も浮かびますよね。
「野菜って、ワンちゃんはちゃんと消化できるの?」 「穀類ってNGって聞いたけど…ほんと?」 「手作りって栄養バランスが難しそう」
実際、間違った食材選びや調理法で、かえって健康を害してしまうこともありえるのが手作り食の難しいところ。
でも安心してください。
正しい知識を身につければ、ワンちゃんの健康をしっかりサポートできる、楽しくて愛情たっぷりのごはん時間が待っています。
このブログでは、獣医師の見解や最新の栄養学に基づきながら、「何をどう与えたらいいのか?」をわかりやすく解説していきます。
第1回回目のテーマは野菜・穀類・果物といった定番の疑問から、食材の切り方や子犬・シニア犬向けのごはんまで、丁寧にお答えします。
さあ、大切なワンちゃんの“笑顔のごはん時間”をつくる第一歩。
楽しく学びながら、一緒に手作りごはん生活を始めてみましょう!

ワンちゃんは野菜を消化できないの?
─ 「消化できない」ってホント?繊維の働きと調理の工夫
「ワンちゃんには野菜は意味がない」
「犬は肉食だから野菜を与える必要はない」──そんな話を聞いたことがあるかもしれません。でも、それって本当に正しいのでしょうか?
結論から言うと、ワンちゃんは“完全には”野菜を消化できません。 しかしこれは、人間にも当てはまる話。 たとえばキャベツやレタスに多く含まれる「不溶性食物繊維」は、消化酵素で分解されず、そのまま腸まで届きます。 でも、だからといって“意味がない”わけではありません。
むしろ、この消化されない繊維質こそが、胃腸を整えるうえでとても大切な役割を果たしてくれるのです。
腸内を刺激し、ぜん動運動を促進してくれるおかげで、便通がスムーズになり、腸内環境が整います。
つまり、食物繊維は「お掃除屋さん」のような存在。
特に便秘気味だったり、お腹が緩くなりやすいワンちゃんには、上手に取り入れることで体調管理に一役買ってくれるんです。
また、野菜には食物繊維だけでなく、水分・ビタミン・ミネラルなど体にうれしい栄養素もたくさん含まれています。
加熱やすりおろし、細かく刻むといった工夫をすることで、消化しやすくなり、これらの栄養素の一部は体内に吸収されます。
たとえば、にんじんに含まれるβカロテンは、皮膚や目の健康を支える栄養素。
ブロッコリーに含まれるビタミンCや葉酸も、免疫力維持に役立つ成分です。
こうした栄養をうまく取り入れることで、ドッグフードだけでは補いきれない“+α”の健康サポートができるようになります。
ただし注意点も。
ネギ類やアボカド、ナスなど、一部の野菜はワンちゃんにとって有害な成分を含んでいるため、必ず食べていい野菜とダメな野菜の区別をつけることが大切です。
この点については後ほど詳しく紹介します。
つまり、「野菜を消化できない=与える意味がない」とは言えません。 完全に消化されなくても、野菜には腸内環境のサポートや水分補給、抗酸化作用などの健康効果がしっかりあるのです。
「肉がメインのごはんだから、野菜はおまけ」ではなく、野菜も立派な“健康の支え役”。
バランスよく、無理なく取り入れていきましょう。

どんな野菜をあげたらいいの?
─ 食べてOKな野菜、NGな野菜を一覧でご紹介!
「なにをあげていいのか分からない…」
そんなふうに悩む飼い主さんは少なくありません。
でも実は、ワンちゃんが食べられる野菜は思ったよりずっと多いんです。
まず基本のスタンスは、「いろいろ試してOK」。
にんじん、かぼちゃ、さつまいも、キャベツ、小松菜、ブロッコリー、ズッキーニなど、私たちの食卓に並ぶ多くの野菜は、加熱や刻み方に気をつければ安心して与えられます。
最初は柔らかく茹でて細かく刻み、少量ずつからスタートするのがベストです。
慣れてくると、シャキシャキしたきゅうりが好きな子、ほんのり甘い焼き野菜が好きな子など、ワンちゃんにも味や食感の“好み”が出てきます。
まるで人間の子どもみたいで、見ているだけで楽しいですよ。
ただし、中にはワンちゃんにとって危険な野菜も存在します。
下記の表を参考に、安心・安全な食材選びを心がけましょう。
ワンちゃんが食べてOKな野菜(※基本は加熱推奨)
野菜名 | 特徴・栄養 |
にんじん | βカロテン豊富、甘味があって食べやすい |
かぼちゃ | ビタミンEや食物繊維が豊富 |
さつまいも | 腸内環境を整え便通にも◎ |
キャベツ | 食物繊維たっぷり。加熱で消化しやすく |
小松菜 | カルシウム豊富、アクも少なめ |
ブロッコリー | ビタミンCが豊富。房は細かく刻んで |
ズッキーニ | 水分が多く、消化にやさしい |
きゅうり | 夏場の水分補給におすすめ。生でもOK |
レタス | 水分メイン。便秘気味の子にも |
大根 | 胃腸を整える効果。すりおろしても◎ |
ワンちゃんが食べてはいけないNG野菜
野菜名 | 危険な理由 |
玉ねぎ | 赤血球を壊す成分あり(加熱してもNG) |
長ねぎ | 同上 |
ニラ | 同上 |
アボカド | ペルシンという毒性成分が危険 |
ナス | ナスニンが消化器に刺激を与えることも |
トマトの青い部分 | ソラニンという毒素に注意 |
調理のコツとしては、加熱+細かくカット or すりおろしが基本。
皮や筋、芯などはなるべく取り除いてあげると、より消化しやすくなります。
初めての食材を与える日は、便やお腹の調子を観察しておくと安心です。
そして何より、「今日は何を気に入ってくれるかな?」という気持ちで、ワンちゃんと一緒に食の発見を楽しむことが、手作りごはんの最大の魅力かもしれません。

ワンちゃんは穀類を消化できないって本当?
─ 炭水化物との付き合い方と「アレルギー」の真実
「ワンちゃんは穀類を消化できない」
こんな話を耳にしたことがあるかもしれません。
確かに、犬の祖先であるオオカミたちは、主に肉食を中心とした食生活を送ってきました。そのため、「犬は肉だけでいいんじゃない?」というイメージを持つ方も多いでしょう。
ですが実際には、“消化が苦手”なだけで、まったく消化できないわけではありません。
ワンちゃんの体には、人間のように「でんぷん(炭水化物)を分解するアミラーゼ」が唾液中には存在しておらず、消化は主に腸で行われます。
だからこそ、しっかり加熱して柔らかくした穀類であれば、きちんと消化吸収することができるのです。
特に、お米(白米・玄米)やオートミール、かぼちゃやさつまいもなどの「炭水化物源」は、エネルギー源としても優秀。 活発なワンちゃんや運動量の多い子、シニア期で体重を落としたくない子には、適量を与えることで体力維持にもつながります。
ただし、ポイントは“量と調理法”。
穀類を与える際のポイント
柔らかくしっかり加熱する(おかゆのように)
最初は少量からスタート
慣れたら量や種類を調整
特に玄米や雑穀などは繊維が多く、未消化のまま便に出てきやすいため、初心者には白米やさつまいもなど、消化にやさしいものから始めるのが安心です。
また、アレルギーが気になる場合は、小麦やとうもろこしなどを避けて、オートミールやアマランサスなどの低アレルゲン穀類を選ぶとよいでしょう。
さらに重要なのは、「絶対にあげなきゃいけないわけでもない」ということ。 炭水化物が合わない子もいますし、穀類なしでも十分栄養バランスを整えることは可能です。 ワンちゃんの体調やうんちの状態を見ながら、「合う・合わない」を見極める目を持つことが、手作りごはんにおける最大のコツかもしれません。
つまり、「穀類は絶対ダメ!」と決めつける必要はありません。 うまく取り入れれば、エネルギー補給や腹持ちをよくする助けにもなるのが穀類なんです。
最初は不安かもしれませんが、やわらかく煮込んだごはんを少しずつ。 「うちの子、けっこう気に入ってるみたい」──そんな発見もまた、手作りごはんの醍醐味ですよ。

果物は糖質が高いからあげちゃダメ?
─ ご褒美にぴったり?果物の上手な取り入れ方
「果物って甘いし、糖質が高いからワンちゃんにはあげないほうがいい?」 そんな風に心配する飼い主さんは意外と多いかもしれません。
確かに、果物には果糖(フルクトース)という天然の糖分が多く含まれており、与えすぎると肥満や血糖値の急上昇につながる恐れがあります。
でも、「糖質がある=あげちゃダメ」というわけではありません。
実際には、果物にはビタミンや抗酸化成分、水分など、ワンちゃんの体にうれしい栄養素もたっぷり。 特に水分補給をしにくい夏場や、活動量が落ちがちなシニア期のワンちゃんにとっては、ちょっとしたおやつ代わりにぴったりな存在です。
ただし、大前提として果物は「主食ではなく、おやつとして“ほんの少し”楽しむもの」という意識がとても大切です。
ワンちゃんにおすすめの果物(※少量・種なし・皮を除く)
果物名 | 特徴や栄養 |
りんご | 食物繊維・ビタミンCが豊富。整腸作用あり(種・芯はNG) |
バナナ | カリウム・マグネシウム豊富で、胃腸にも優しい |
スイカ | 水分補給に◎。暑い季節のおやつにぴったり(種・皮NG) |
いちご | 抗酸化作用のあるビタミンCが豊富で香りも良い |
梨 | 水分と自然な甘さで喉ごしが良い(アレルギーに注意) |
ブルーベリー | 目や皮膚の健康をサポート。冷凍して与えてもOK |
与えない方がいい果物
果物名 | 理由 |
ぶどう | 腎不全を引き起こす恐れがある(少量でも危険) |
レーズン | 同上(乾燥していても危険性は変わらない) |
アボカド | ペルシンという中毒成分を含む |
さくらんぼ | 種や茎にシアン化合物(毒性)あり |
柑橘類(特に皮) | クエン酸・精油が胃腸に刺激を与えることがある |
果物を与えるときは、
皮や種、芯を取り除く
小さく切る or すりおろす
1日の摂取カロリーの5%以内を目安に
この3つを守ると安心です。
また、果物はワンちゃんにとって「特別感」のあるごほうびにもなります。
しつけやトレーニング時のモチベーションアップにうまく活用するのも一つの方法。
香りが良くて、甘みもあり、人と一緒に「おやつタイム」が楽しめるのも果物の魅力です。
とはいえ、あくまでも“栄養の補助”や“ご褒美”として考えるのがベスト。 「食べなくても全然問題はないけれど、うまく使えば体にも心にもいい」──そんなバランス感覚が大切です。
ワンちゃんが笑顔になるフルーツタイム、あなたの手でぜひ演出してあげてくださいね。

毎日同じ食材でも問題ないの?
─ 栄養の偏りリスクと「ローテーション」のすすめ
「手作りごはんって、毎日いろんな食材を用意しないとダメですか?」
そんな風に心配する飼い主さんは少なくありません。
忙しい日々のなかで、“毎日バリエーション豊富に”というのは、なかなかハードルが高いもの。
でもご安心ください。 毎日の食事が完璧な栄養バランスでなくても、すぐに体調を崩すワンちゃんはほとんどいません。

そもそも犬の栄養バランスは、人間と同じく「1週間〜10日単位で見てトータルで整える」という考え方が一般的です。
1日で完璧にしようとせず、数日かけていろんな栄養素をカバーできれば十分。
それに、多少の偏りは体がちゃんと調整してくれる力を持っています。
とはいえ、まったく同じものだけを長期間続けるのはおすすめできません。
理由は2つあります。
1つは、特定の栄養素だけに偏ってしまう可能性があること。
たとえば鶏肉だけをずっと与えていると、鉄分やビタミンB群が不足することも。
もう1つは、「飽きてしまう」こと。
ワンちゃんも意外とグルメ。
たまには香りや食感に変化があると、食への興味が高まり、心の満足度も上がります。
忙しい日は「いつものメニュー」、余裕がある日は「ちょっと工夫」
毎日特別なことをする必要はありません。 たとえばこんな感じでOKです:
平日は→鶏むね肉+かぼちゃ+にんじんの定番おじや
週末だけ→お魚やレバー、きのこなど“ちょっと冒険”メニューにしてみる
トッピングだけ変える日もOK(ふりかけ・オイル・果物など)
無理せず続けることが大事。 「今日は少しだけ違うものを足してみようかな」という程度のゆるやかな意識で十分です。
ローテーションのすすめ
簡単にできる方法として、たんぱく質(肉・魚など)や野菜を“ざっくりと”ローテーションするのがおすすめです。
たとえば:
【肉】鶏 → 牛 → 豚 → 魚
【野菜】にんじん → かぼちゃ → 小松菜 → ブロッコリー
こうして種類を変えることで、偏りのない栄養が自然と摂れていきます。
また、ワンちゃんのうんちの状態や毛艶、元気さを観察することで、「今の食事、合ってるな」「ちょっと変えてみようかな」といった気づきにもつながります。
要するに、「毎日同じ食材=悪」ではありません。 大切なのは、完璧を目指しすぎず、“気にかけること”と“楽しむこと”。
「今日も元気に食べてくれた」──それが、何よりの栄養の証です。

ワンちゃんの体重に合わせた食事量って?
─ 年齢・活動量に応じた正しい“ごはんの量”を計算しよう!
手作りごはんを始めてみたはいいけれど、最初に戸惑うのが「量ってどれくらいあげればいいの?」という疑問。 ドッグフードのようにパッケージに「何g」と書いてあるわけではないし、ワンちゃんによって食欲も運動量もバラバラ。 正解が見えにくいのも無理はありません。
でも、実はそれでいいんです。
手作りごはんにおける食事量は、「グラム数の計算」よりも“その子をよく観察する”ことが最も大切なヒントになります。
まずは“頭のハチ”でざっくりスタート!
実は、ワンちゃんの頭のハチ(こめかみから後頭部にかけての幅)くらいの量が、1回の食事の「ざっくり目安」としてよく使われます。
これはあくまでスタートラインの考え方ですが、小型犬〜中型犬くらいまでは、かなり感覚的に使いやすい方法です。
例えば:
小型犬(体重3〜5kg):1回につき頭のハチ1杯程度 × 2回/日
中型犬(体重10〜15kg):1回につきハチ2〜3杯程度 × 2回/日
もちろんこれは“目分量”なので、厳密さはありません。
でも、「まずはこれくらいから試してみよう」という出発点にはぴったりです。
適量は「体型」と「うんち」が教えてくれる
目分量から始めたら、次は日々の変化を観察して調整していくことが大切。 注目したいのは次の2つ:
① 体型のチェック
肋骨が触れるけど浮き出ていない?
ウエストがうっすらくびれている?
この2点を満たしていれば、理想的な体型です。
肋骨が見えていたら「少なすぎ」、見えない・触れないなら「ちょっと多いかも」。
② 排泄物のチェック
適度な硬さで、スルッと出ている
回数やニオイが急に変わっていないか
うんちは“体の声”ともいえるバロメーター。 柔らかすぎたり、未消化物が多かったりする場合は、食材の消化具合や量が合っていないサインかもしれません。

年齢・運動量・季節によっても変わる
食事量は、「体重」だけでなく年齢・活動量・体調・季節によっても変化します。
子犬:成長期なので多め&高カロリーでもOK
シニア犬:消化力の低下を考えてやや少なめに
夏場:食欲が落ちる子もいるので無理強いはNG
たくさん運動した日:普段より少し多めにしても◎
つまり、「この子のいまの状態」に合わせて量を調整してあげることが、手作りごはんの醍醐味でもあるんです。
無理なく、ゆるやかに調整を
最初から完璧な量を目指さなくても大丈夫。 「少しずつ、様子を見ながら」がいちばん自然で、健康的なスタイルです。
手作りごはんは、レシピ通りじゃなくていい。 ワンちゃんの表情や食べっぷり、そして体のサインをヒントに、“うちの子にちょうどいい量”を見つけていきましょう。

食材の大きさや硬さってどれくらい?
─ 誤嚥・消化トラブルを防ぐための切り方・柔らかさの工夫
手作りごはんを始めたばかりの頃、よくある疑問がこちら──「お肉ってどれくらいの大きさで切ればいいの?」「にんじんとか、ちゃんと柔らかく煮ないとダメ?」
確かに、ワンちゃんのごはんに使う食材の“大きさ”や“硬さ”は大切なポイント。 でも、ここで神経質になりすぎる必要はありません。 大切なのはただ一つ、「のどに詰まらせないこと」です。
まずは「噛まずに飲み込んでも安心な大きさ」が基本
ワンちゃんは基本的に、あまり噛まずに食べる動物。
特にごはんに夢中になっているときは、“飲み込めるかどうか”が安全ラインの基準になります。
たとえば、
肉なら → 指の第一関節くらいまでの大きさ
野菜なら → 小指の先サイズ〜みじん切り
穀類(お米など)→ おかゆ状 or しっかり柔らかく炊く
これくらいを目安にすれば、のどに詰まらせたり、噛み残したりする心配が少なくなります。
特に高齢犬や子犬の場合は、やわらかく&小さくが基本です。
野菜や穀類は「どれだけ細かくしても、消化しきれないことがある」
ここはちょっとした盲点ですが、ワンちゃんは人間ほど消化酵素の種類が多くありません。とくに野菜の食物繊維や穀類の外皮は、細かく切ってもしっかり加熱しても、完全に消化できないことがよくあります。
たとえば、
にんじんやブロッコリー → すりおろしても便にそのまま出てくることあり
玄米 → しっかり炊いても外皮が未消化で残ることも
これは「消化不良」ではなく、“体に害のない未消化物”なので、あまり気にしすぎなくても大丈夫。
ただし、ワンちゃんのうんちに未消化の粒が多く見られるようであれば、その子にとっては細かく刻む/加熱時間を増やすといった調整が必要かもしれません。
大きくても噛む子、小さくても丸飲みする子
食べ方には、ワンちゃんの性格も関係してきます。
よく噛んで味わう子 → 少し大きめのほうが食べごたえがあって満足感◎
丸飲みタイプ → 小さめ&やわらかめで安全性を優先
特にドライフードしか食べてこなかった子は、最初は手作り食の「食感の違い」に戸惑うことも。
そんな時は、食材を少しつぶす・混ぜる・水分量を増やすなどの工夫を加えてみましょう。
あまり構えすぎず、“うちの子に合うかたち”を見つけて
結論としては、「のどに詰まらない・胃腸に優しい」ことさえ守れば、そこまで厳密にする必要はありません。
手作りごはんは、毎日の健康管理でありながらも、ワンちゃんとのコミュニケーション。「これくらいの大きさが好きなんだな」 「今日はちょっと硬すぎたかな」
そんなやりとりの中から、その子にぴったりのスタイルが自然と見えてきます。

味付けしても大丈夫?
─ ワンちゃんの舌と塩分感受性の話。味より“香り”が大事!
「ワンちゃんのごはんって、やっぱり味付けしない方がいいの?」 「人間のごはんみたいに香りがある方が食いつき良さそうだけど…」
手作りごはんを作っていると、こうした疑問がふと頭をよぎりますよね。
実は、ワンちゃんの味覚は人間ほど鋭くありません。 人間が“美味しい!”と感じるのは、甘味・塩味・旨味・酸味・苦味などを細かく感じ取れる味覚センサーがあるからですが、ワンちゃんはこれらの数が圧倒的に少ないのです。
でも、だからといって“味に無頓着”というわけではありません。
ワンちゃんは「味」より「香り」でごはんを楽しむ
ワンちゃんは、味よりも“香り”にとても敏感。 「今日はちょっといつもと違うな?」 と感じるのは、味そのものではなく、鼻で感じる香りの変化が主な理由なのです。
そのため、味付けをしなくても、素材本来の風味や加熱によって立つ香りだけで十分に“ごちそう感”を楽しめるのが、ワンちゃんのすごいところ。
とはいえ、食欲が落ちている時や、少し気分を変えたい時には、ごく軽い味付けをしてあげることで食いつきがグンと良くなることもあります。

味付け=完全NGではない。上質で少量、がカギ
手作りごはんでは「無味でなければいけない」という誤解をよく耳にしますが、実はそんなことはありません。
ポイントは以下の3つ:
塩分は極力控えめに(または無添加)
味をつけるなら素材を生かした自然な調味料で
一口食べて“うっすら感じる程度”が目安
ワンちゃんに使える調味の例
調味料・食材 | 使い方/特徴 |
無添加のかつお節 | 食欲をそそる香り。ふりかけとして◎ |
ごま油(微量) | 香りづけ程度に数滴でOK |
昆布だし・鰹だし | 風味を足すには最適(塩分不使用のもの) |
ヨーグルト | 発酵食品として消化にも◎(無糖) |
オリーブオイル | 艶出し・便通サポートにも微量活用可能 |
避けたい調味料(人間用)
調味料 | 理由 |
醤油・味噌 | 塩分が高すぎる |
コンソメ・出汁パック | 化学調味料・玉ねぎ成分に注意 |
マヨネーズ | 脂質・塩分ともに過剰 |
バター・マーガリン | 胃腸への負担が大きい |
砂糖 | 血糖値上昇・虫歯・肥満のリスク |
手作りごはんの魅力は、「安心して使える素材で、ワンちゃんの好みに合わせて調整できること」。 無理に味付けをする必要はないけれど、ほんの少し風味を添えるだけで、“今日は特別なごはんだ!”と感じてもらえるかもしれません。
「今日はちょっとだけごま油を香らせてみよう」 「かつお節をひとつまみのせてみよう」
そんな小さな工夫が、ワンちゃんの心を満たしてくれる“魔法のスパイス”になるのです。
塩分はどれくらいまでOK?
─ 意外と見落としがち!無意識に過剰摂取していない?
「ワンちゃんに塩分はNG!」 そう聞くと、つい不安になってしまいますよね。 「味付け禁止」
「調味料厳禁」と、極端に塩分を避けている飼い主さんも少なくありません。
でも実は、ワンちゃんの体は“少しの塩分”であればきちんと処理できるようにできています。
ワンちゃんは“低塩”でも生きていける生き物
犬は本来、肉食に近い雑食動物。 自然界では、動物の肉や血液、内臓などを通じて必要なナトリウム(塩分)を摂取していました。 そのため、人間ほど塩分に依存した味覚ではありません。 そして実際に、極端に塩分が少ない状態でも生きていける強い適応力を持っています。
だからといって、「塩分ゼロがベスト!」というわけでもありません。
海水レベルまでなら自然に排出される
じつは、ワンちゃんの塩分耐性の一つの基準として言われているのが、「海水くらいの塩分濃度(約3%未満)までなら、健康な腎臓で自然に排出される」ということ。
もちろんこれは「海水を飲ませていい」という意味ではなく、日常的な食事の中で、微量の塩分があっても“ちゃんと体外へ出せる”ということを示しています。
つまり、塩分ゼロを目指して神経質になりすぎる必要はないということなんです。
極端な塩分カットが逆効果になることも
最近では、塩分を意識しすぎて「完全無塩」状態を続けることで、以下のようなリスクが指摘されています。
ナトリウム不足による脱水や倦怠感
腎臓に過度な負担がかかる(逆に)
食欲の低下・味気のなさによる食いつき不良
もちろん、心臓病や腎臓病など、特定の疾患を抱えているワンちゃんは厳しい塩分制限が必要なケースもあります。
ですが、健康な子であれば、“自然な素材から得られる程度の塩分”はまったく問題ありません。
安心な塩分の取り方
方法 | 解説 |
肉や魚の自然な塩分 | 鶏肉・馬肉・サーモンなどにもごく微量含まれます。 |
出汁や煮汁 | 無塩で煮出した昆布・かつお節などの風味で香りUP。 |
チーズや味噌(ごく微量) | 少量なら塩分と発酵の力で食欲アップに活用できることも。 |
「味付け=塩分」というイメージがありますが、自然な風味を活かすことでも十分“味”は伝わります。
「塩分=悪」ではない。“適度”を知ることが大切
手作りごはんで大切なのは、「与えない」ことよりも、「どこまでなら安心か」を知っておくこと。 目安としては、1日あたりの塩分摂取量が体重1kgあたり100mg以下程度であれば、多くの健康なワンちゃんにとって問題はありません(※疾患のある子は要相談)。
“ほんのり風味づけ”で食欲が湧くなら、それはワンちゃんにとっての幸せかもしれません。美味しさと健康のちょうどいいバランスを、無理なく見つけてあげましょう。

急に手作り食に切り替えてもいいの?
─ 胃腸の準備がカギ!切り替え時のステップと注意点
「今日からいきなり手作りごはんにしても大丈夫?」
そう不安になる方も多いかもしれません。
でも実は──ワンちゃんは意外と“すぐに”適応できる動物です。
ワンちゃんは変化に強い
健康な子であれば、急に手作り食を始めたからといって、体調を崩すケースはあまりありません。 とくに新鮮なお肉や野菜を使ったごはんは、香りも強く食いつきもよいため、ドッグフードよりも喜ぶ子も多いほど。
ただし、体調が不安定な子や、アレルギー・消化器系に持病がある子は、一度にすべて切り替えるのではなく、徐々に混ぜながらの移行がベターです。
完全手作りでなくても大丈夫
「毎日レシピを考えて、栄養バランスを計算して…」そんなの大変すぎて続かない…と思った方、ご安心を。
完璧に“手作り100%”である必要はまったくありません。
ドライフードにトッピングとして肉や野菜を少量のせる
半分だけ手作り、半分は市販の総合栄養食に頼る
冷凍の手作り食ベースに、旬の野菜だけ足してみる
こんなふうに、「家庭ごはん+ドッグフード」のいいとこ取りスタイルでも十分です。
併用スタイルの注意点:カロリーの“ダブり”に気をつけて
ドライフードは“これだけでOK”な栄養とカロリー設計になっているため、上からさらに手作りごはんをトッピングすると、意外と簡単に「食べ過ぎ」になってしまうことも。
特に次のような食材には注意が必要です。
肉類(高タンパク&高カロリー)
炭水化物(米・パン・芋など)
油分・チーズ・卵など脂質が多いもの
その分、
・ドライフードを少し減らす
・トッピングは控えめに
という調整を心がけるだけで、トータルでちょうどいいバランスに。
手作りのメリットは「自由度と安心感」
好き嫌いやアレルギーに柔軟に対応できる
季節や体調、年齢に合わせて調整できる
添加物や産地を自分で選べる安心感
「手作りじゃなきゃダメ」
というわけではないけれど、手作りを取り入れることで、愛犬の健康と食への興味をもっと深く感じられるようになるのは間違いありません。
“できるときに、できる分だけ”の気持ちでOK
手作りごはんは、続けることが何より大切です。 だからこそ、頑張りすぎないスタートがちょうどいい。
「週末だけ」
「トッピングだけ」
でも立派な第一歩。
大切なのは、“愛犬に向き合う時間”をつくることなのです。

手作りご飯は「愛情×知識」
無理せず楽しく、ワンちゃんと一緒に育む健康習慣
ワンちゃんの手作りごはんというと、「難しそう」「毎日続けられるかな」と不安を感じる方も多いかもしれません。
でも実は、完璧じゃなくてもいいんです。
栄養の計算も、毎日の変化も、最初はざっくりで大丈夫。
大切なのは、ワンちゃんの体調やしぐさを見ながら“その子に合うごはん”を見つけていくこと。
今回ご紹介したように、野菜や果物、穀類にもそれぞれの役割があり、組み合わせしだいでごはんはどんどん豊かになります。
「味付けしてもいい?」
「急に変えてもいい?」というような迷いも、“うちの子と相談しながら”でOKです。
手作りごはんは、愛情のひとつのかたち。特別な日だけでも、トッピングだけでも、それは十分に“手作り”の第一歩です。
忙しい毎日、無理なく、楽しく。 そして何より、ワンちゃんの「今日もおいしかったよ!」という顔が見られるなら、それが何よりの答えになるはずです。






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