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ワンちゃんの“なんで?”に迫る!行動で読み解く心のカタチ ②

  • 執筆者の写真: WANMART
    WANMART
  • 2025年7月3日
  • 読了時間: 23分

ワンちゃんって、なんでまた?好奇心&不思議行動!

「散歩中になるべく匂いを嗅ぎたがるけど、どうして?」 「ワンちゃん同士って、どうやって仲良くなってるの?」 「足を上げておしっこするけど、それは何の意味?」──こんな“なんで?”が、ワンちゃんと暮らす中で次から次へと出てきますよね。

パート1では「笑う」「ヤキモチ」「遠吠え」など10の本音に迫りましたが、パート2ではまた違った角度で、さらに興味深い“日常の謎”を掘り下げていきます。

ワンちゃんは、嗅覚や視覚、社会性や本能がとてもユニーク。 匂いを嗅ぎまくるのは、「情報収集」と「脳への刺激」のため。 ピンポーンで吠えるのは、「来訪者を知らせたい」気持ちや「不安の発露」だったりします。

また、ワンちゃん同士の交流には、遊びの仕草や匂いを交換する“犬社会のマナー”がしっかり存在し、相性や友だちの必要性にも深い意味があります。

そして、足を上げておしっこするのは「マーキング」だけでなく、社会的メッセージの意味もあり、あくびや寝言などの行動も含めて、行動学的にはすべて“言葉と同じくらいの意味”があるんです。

本シリーズでは、大学や獣医学会、動物行動専門家の研究・専門意見も多数交えつつ、「そうだったの!?」と驚きつつ、「なるほどね!」とうなずける内容をお届けします。

ワンちゃんたちが日々見せる“なんでもないしぐさ”の裏に潜む、本当の気持ちを知ることで、あなたとの絆ももっと深まるはず。 さあ、パート2も一緒に探検していきましょう!


なんでも匂いを嗅ぎたがるのはなんで?

お散歩中、ワンちゃんが一本の草や電柱、通りすがりの人の足元を嗅ぎまくっている姿、見たことありますよね? 「またそんなに嗅いで…」とつい呆れがちですが、実はそれ、ワンちゃんにとっては世界を“読む”ための大切なリサーチなんです。

嗅覚は、ワンちゃんの「目以上」の情報源

人間にとって視覚がメインなのと同じように、ワンちゃんにとっては嗅覚がメインの情報センサー 犬種によって異なりますが、ワンちゃんの嗅覚受容体は約1億2500万〜3億個もあり、人間の500万個と比べて桁違いに優れています 。 そのため、においから性別・年齢・健康状態・気分・つい先の行動まで読み取れるといわれています 。

匂いはまるでSNSのタイムライン

ワンちゃんは散歩中に匂いを嗅ぐことで、「この道には何匹のワンちゃんが走ったか」「最近ここに誰が通ったか」「ボクと仲良しワンちゃんがここを通ったか」などをチェックしています 。 つまり、ワンちゃんにとって匂い嗅ぎは、“匂い情報でつながるSNS”のようなもの。 最新情報をキャッチしながら世界を理解しているんですね。

心の健康を支える“嗅ぎ”タイム

AKC(アメリカンケンネルクラブ)によると、匂いを嗅ぎながらじっくり歩く“スニッフィング散歩”は、身体だけでなく心の良い刺激にもなるとのこと 。 短時間でも集中して嗅ぎ込むことで疲労感を感じることもあり、脳の充足感=満足感を引き出すためにも有効です 。

ストレスや健康も匂いでわかる?

なんと、ワンちゃんは人間のストレス臭や、がんなどの病気の匂いを識別できる能力があることもわかっています。 英国の研究では、人間のストレスによるフェロモンを嗅ぎつけて“気分に影響を受ける”という報告があり 、さらに訓練されたワンちゃんはがんを88〜99%の精度で検出できるという実例も複数あります 。

「なんでも嗅ぎたがる」は“普通”どころか“素晴らしい能力”!

  • 探し・判断…情報収集のため

  • 社会性…他ワンちゃんや人間とのつながり

  • ストレス軽減…脳への優しい刺激

  • 健康サイン…病気や感情の検出能力

つまり、ワンちゃんがあらゆる匂いを追うのは、世界を深く見て、感じて、学び続けるための本能的で賢い行動なのです。

おすすめの散歩のコツ

  1. リードをゆるめて自由に嗅がせる

  2. 徒歩のペースを落として“嗅ぎタイム”を設ける(10〜20分) 

  3. 嗅覚遊び(庭や室内でおやつを隠して探す)を取り入れる

これだ けでワンちゃんの精神が満たされ、帰宅後のイタズラや吠えグセも減ると言われています。「また嗅いでる…」と感じるときこそ、ワンちゃんが心を耕している瞬間 ぜひ、ちょっとだけ付き合ってあげてくださいね。



ワンちゃん社会はどう交流を深めてるの?

人間には「こんにちは」「よろしくお願いします」といったあいさつがありますが、ワンちゃん社会にも実はちゃんと“犬なりのルール”があります。

それは言葉ではなく、しぐさ・匂い・表情・動きといった“ボディランゲージ”を通して交わされるもの。 一見ただ遊んでるだけのように見えても、ワンちゃんたちはちゃんと社会的なやりとりをしているんです。


「まずはおしりをどうぞ」ってどういうこと?

ワンちゃん同士が出会ったとき、まず見られるのがおしりの匂いを嗅ぎ合う行動。 これは「私はこういう者です」という名刺交換のようなもので、 ・性別 ・年齢 ・ホルモン状態(発情・妊娠) ・食べたもの ・健康状態など、驚くほど多くの情報を確認し合っているのです。 嗅覚が鋭いワンちゃんだからこそできる、超ハイレベルなあいさつですね!



「遊ぼうよ!」の合図って?

遊びに誘うとき、ワンちゃんがよく見せるのがプレイバウ(遊ぼうポーズ) 前足を伸ばしてお尻をあげ、しっぽをフリフリ。 これが「ケンカじゃないよ、遊ぼうよ!」というサイン。 他にも…

・前足でちょんちょん

・口を軽く開けてカミカミしながら誘う

・視線をずらしながら近づく

など、相手に安心感を与えるための“優しいやりとり”がたくさんあるんです。

ケンカじゃないの?じゃれあいのルール

見ていると「ちょっと激しいな…」と心配になるようなじゃれあいも、きちんとルールにのっとった“遊びの一環”です。

ただし、本気のケンカに発展しないように、ワンちゃん同士はお互いの気持ちを確認しながらじゃれているんです。

たとえば…

・途中で一度止まる(休憩) ・プレイバウをはさむ・噛む力を加減する(カミカミ加減の調整)

こうした“合意のもと”に続くやりとりは、人間の「一緒に笑いながら遊ぶ」に近いものと言えるでしょう。

距離をとるのもマナーのひとつ

交流といっても、ワンちゃん全員が積極的とは限りません。 「ちょっと怖い」「今日は気分じゃない」というときは、目をそらす・後ろを向く・体を遠ざけるなどの“やんわり断る”しぐさを見せます。

このとき、相手のワンちゃんが無理に追いかけると、ストレスやトラブルの原因に。 犬社会では「無理に近づかない」ことも、立派なマナーなのです。

ワンちゃんの社会は、思ったよりずっと礼儀正しい

・自己紹介はおしりの匂いで ・遊びは相手を思いやる合図で始まり ・断るときもやさしく距離をとる ・しつこくせず、空気を読む

──こんなふうに、ワンちゃんたちの社会はとってもスマート。

私たちが知らないだけで、ものすごく繊細なやりとりが交わされているんですね。

公園やドッグランでワンちゃんたちが交流する場面に出会ったら、ぜひその“会話”を観察してみてください。 きっと、言葉のいらない優しいやりとりが見えてくるはずです。



ワンちゃん同士にも相性ってあるよね?

「うちの子、誰とでも仲良くできるタイプじゃないみたい…」 「この前の散歩中、なぜかあのワンちゃんには吠えてたな」 そんなふうに感じたこと、ありませんか? 実はこれ、気のせいではなく“相性”の問題かもしれません。 ワンちゃんにも人間と同じように、「合う・合わない」はちゃんとあるのです。

犬同士の相性って、どうやって決まるの?

相性を左右するポイントは主に以下の4つ:

  1. 性格(慎重・外交的・独占欲強め など)

  2. 年齢や体格の差

  3. 社会化経験の有無(子犬期の交流)

  4. 過去のトラウマや記憶

たとえば、元気いっぱいな若いワンちゃんが、年配の穏やかな子にしつこくじゃれついたら…「うるさい!」と嫌がられることもあります。 また、過去に似た見た目の犬に怖い思いをした経験があると、同じようなタイプを見ただけで警戒してしまうことも。

相性の“サイン”は尻尾の振り方に出る!

「尻尾を振ってたから、きっと仲良くしたかったんだね!」──それ、ちょっと早とちりかもしれません。

実は尻尾の振り方には、感情の方向性が隠れています。

右側に大きく振る:ポジティブな感情(うれしい・安心・友好的)を示していることが多いです。


左側に振る:不安・警戒・ややネガティブな気持ちを表すといわれています(イタリアの研究チーム、Vallortigaraらの研究より)。


つまり、同じ「振ってる」でも、方向によって気持ちは真逆のこともあるのです。

相性が悪いとき、どうなる?

ワンちゃん同士の“空気”が合わないと、以下のようなサインが出ることがあります。

・目をそらす ・耳を伏せる ・体をかたくして動かない ・尻尾が下がっている or 左にピクピク動く ・相手から距離を取る(逃げる)

これらは、「あんまり得意じゃないな」「これ以上は近づかないでほしいな」という“やんわり拒否”のサイン。 ここで無理に近づけてしまうと、吠えたりケンカになることもあるので注意が必要です。 「どうしてこの子には寄っていくのに、あの子は避けるんだろう?」

そんな観察をするだけでも、ワンちゃんの世界がぐっと奥深く感じられるようになるはずです。


ワンちゃんにとって犬友って必要?

「うちの子、ドッグランに行っても他の子と遊ばないんです…」 「犬友がいないのは、ちょっとかわいそう?」──そんな不安を抱いたことのある飼い主さんも多いかもしれませんね。


でも、答えは「犬友がいなくても、全然大丈夫!」実は、ワンちゃんにとって“犬友が絶対必要”というわけではないのです。

一人が好きなワンちゃんもいる

ワンちゃんにも性格があります。 活発で他の子と遊ぶのが好きなタイプもいれば、「知らない子より飼い主さんといる方がいい」と感じる慎重派の子も。


とくに小型犬や保護犬は、過去の経験や体格差への不安から他のワンちゃんとの交流が苦手なことも多く、それは決して“劣っている”わけではありません。


だから、「うちの子、犬友がいない…」と心配する必要はないんです。



でも、出会いは“成長のきっかけ”になる

とはいえ、ワンちゃん同士の交流にはメリットもたくさんあります。

・他犬との距離感を学べる ・挨拶の仕方(匂いの嗅ぎ方・しぐさの読み取り)を覚える ・遊びを通じてエネルギーを発散できる ・社会的な刺激によって“心の成長”がうながされる

つまり、犬友は「絶対に必要な存在」ではないけれど、“出会えたらラッキーな学びの相手”といえるのです。

特に、子犬期(社会化期)に他犬と接する経験は、将来のコミュニケーション力にも関わる大切な時間。 成犬になってからでも、無理のない範囲で交流のチャンスを持てば、ゆっくりと関係性を築いていけます。

「犬友を作る」よりも「無理なくふれあう」でOK

大事なのは、「犬友を作らなきゃ!」と無理に関わらせないこと。 ワンちゃんのペースを尊重し、興味を持った相手とだけ、ちょっと匂いを嗅ぎ合う程度の関わりでも十分です。

たとえば…

・公園ですれ違うときに軽く挨拶だけする ・距離をとって並んで歩くだけでもOK ・飼い主さん同士で会話しながら、ワンちゃんたちは自由に過ごす

こんな“ゆるいつながり”でも、ワンちゃんにとっては立派な「社会経験」になるんです。

「犬友」は、あくまでオプション。でもあると嬉しい。

人間でも、親友がいなくても幸せな人はたくさんいますよね。 ワンちゃんも同じで、「犬友がいる=正解」ではありません。

でも、もし相性の合う子と出会って仲良くなれたら、それはきっとワンちゃんにとって宝物のような経験になるはず。

楽しそうにじゃれ合う姿を見ると、こちらまで笑顔になりますよね。

大切なのは、「犬友が必要かどうか」ではなく、その子が心地よく過ごせる環境を用意してあげること。無理をさせず、ワンちゃんの個性とペースを大切にすれば、それが一番の“良い関係”づくりになるのです。


ピンポンに吠えるのはなんで?

「ピンポーン♪」──その瞬間、猛ダッシュで玄関に向かい「ワンワンワンワン!!」と大騒ぎ。 「もう…うるさいなぁ…」と思いつつ、どこか“けなげで可愛い”と感じてしまう飼い主さん、多いはずです。

そう、ワンちゃんにとってチャイムの音は“事件発生”の合図。 そして彼らは、ただ必死に「飼い主さん!敵が来たよ!!」と伝えようとしているのです。

ワンちゃんは自宅の“警備員”!

ワンちゃんはもともと縄張り意識の強い動物。 自分の家、自分の家族、自分のテリトリーを「守るべきもの」と認識しています。

だからこそ、チャイム音やノック音といった“いつもと違う音”がすると、即座に反応して「誰か来た!」「外に異常あり!」と感じるのです。

このとき、ワンちゃんの頭の中はもう大忙し。 ・何者!? ・危険じゃない? ・飼い主さんに知らせなきゃ!──そう思って、声を張り上げてお知らせしてくれているんですね。

吠えるのは「不安」と「責任感」のあらわれ

行動学の専門家によると、ピンポン吠えの裏には“不安”と“使命感”が混在しているそうです。

不安:「この音、何?知らない人が来るかも…」

使命:「自分が家を守らなきゃ!」

この2つの感情が重なり、ワンちゃんはつい吠えてしまうのです。 特に、慎重な性格や警戒心が強いワンちゃんほど反応しやすく、「もしもの事態に備えて行動してる」わけですね。

“あっぱれ忠犬”な姿が、愛おしい

飼い主が「ただの宅配だよ〜」とわかっていても、ワンちゃんにとってはそうはいきません。

「侵入者かも!」 「この家の平和はボクが守る!」と全力で体を張るその姿は、なんともいじらしく、そしてちょっと笑えるほど真剣。


しかも、飼い主が出迎えたり「大丈夫だよ〜」と声をかけると、「任務完了…」とばかりにほっとする表情を見せるワンちゃんもいます。

吠え対策は、“安心”を伝えることから

とはいえ、あまりにも毎回吠えられると、ご近所や来客への配慮も必要ですよね。 そんなときは以下のような対策を試してみましょう。

・チャイム音に慣らす練習(音に反応→おやつで良い印象づけ) ・チャイムが鳴ったら「大丈夫よ」「おしまい」と声かけ&撫で ・あらかじめリードをつけて待たせる、ケージに入れるなどの環境調整

大切なのは、「吠えないように怒る」ではなく、「安心して任せてもらえる環境」を作ること。 「もう大丈夫、ありがとうね」と伝えれば、ワンちゃんも徐々に“番犬モード”からリラックスへと移行できます。


ピンポン吠えは、迷惑じゃなくて“信頼の証”。 「この家と、大好きな飼い主を守りたい」という気持ちが、あの声に詰まっているのです。


今日も全力で「異常あり!」と教えてくれるワンちゃんに、「大丈夫だよ、頼りにしてるよ」と声をかけてあげてくださいね。

おしっこする時に足をあげるのは?

電柱の前でピタッと止まり、片足をキュッとあげて…シュッ! とマーキングするワンちゃんの姿。 「そんなに器用に?」 「バランス感覚すごっ!」と思わず見とれてしまうこのしぐさ、でも…なんでわざわざ足を上げておしっこするんでしょう?

実は“マーキング戦略”のひとつ

結論から言うと、足をあげるのはマーキング(縄張りアピール)のため ワンちゃんの尿には、フェロモンや個体情報が含まれていて、それを「ここにいるよ!」「これはボクの場所だよ!」と他のワンちゃんに伝えるための手段なんです。

そして足をあげる理由はズバリ、できるだけ高い場所にニオイを残したいから。

より高い位置におしっこをかけることで…


・他のワンちゃんに気づいてもらいやすい

・自分を“体が大きくて強い存在”に見せられる

・時間がたっても匂いが残りやすい


というメリットがあるんです。 つまり、あのポーズは「オレって結構イケてるだろ?」というちょっとしたアピールなんですね。

すべてのワンちゃんが足をあげるわけじゃない

一般的にはオスの成犬がこの行動をよく見せますが、すべてのオスが足をあげるとは限りません。 中には…

・両足でしゃがんで用を足すタイプ ・家ではしゃがむけど、外では足を上げるタイプ ・マーキングより排泄目的が強い子

など、個性はさまざま。

また、メスでも足をあげる子もいます! 特に自信があるタイプや縄張り意識が強めの子は、オスのように足をあげてマーキングすることもあるんです。

また、小さなワンちゃんほど足を高く上げておしっこをする傾向が高いんです。

自分を大きく見せたいんですね!

社会性と発達のバロメーターにも?

実はこの“足あげおしっこ”、ワンちゃんの社会的成熟や自信の表れと捉えられることもあります。 子犬の頃はしゃがんでいたのに、大人になるにつれてマーキング意識が芽生え、足をあげ始める──というケースも多いのです。

ただし、足をあげ始める時期や頻度はその子の性格や経験によって違うので、「うちの子は遅い?」「うちはメスだけど…」と気にする必要はまったくありません。

ちょっと困る…そんなときは

マーキングが過剰になると、室内での“足あげおしっこ”に困ってしまうことも。 そんなときは…

・足をあげにくい場所でさせる(シーツや壁に囲いがない場所) ・「ここでしてOK」と決めた場所を教える・必要であればマナーベルトを使う

など、叱らず、安心して排泄できる環境を整えてあげることが大切です。

足をあげるおしっこは、ワンちゃんにとってただの排泄じゃなく、自己主張と情報発信のコミュニケーションツール ちょっとおかしくて、ちょっと誇らしげで、でもとても自然な“本音のしぐさ”なのです。


怒ってるのになんであくびするの?

ワンちゃんに怒っているようなシーンを目にすると、「あれ? 怒ってるはずなのに、なんであくびをしてるの?」と不思議に思うことがあります。

実は、あくびは単に眠いときだけのサインではなく、ワンちゃんの感情やストレス、緊張状態を示す複雑な行動のひとつと考えられているのです。

緊張やストレスが引き金に

動物行動学の専門家によれば、あくびは「ストレス解消」や「緊張をほぐすための生理現象」の一種です。 怒っている状況、もしくは不安や緊張が高まる場面で、ワンちゃんはあえてあくびをすることで、心身のバランスを整えようとしているとされています。

言い換えれば、怒りや焦燥感といったマイナスの感情が高ぶったとき、それを緩和しようとする一つの手段なのです。


あくびは“リセットボタン”?

また、あくびには「リセット効果」があるという説もあります。 科学的研究では、人間を含む多くの動物で、あくびをすることで脳内の温度が下がり、注意力や集中力が改善されることが示唆されています。

ワンちゃんの場合も、ストレスや怒りで一時的にコントロールが乱れたとき、あくびをすることで心身をリセットし、冷静さを取り戻そうとする働きがあるのかもしれません。

コミュニケーションの一環?

さらに、あくびは単なる生理反応だけでなく、「社会的なコミュニケーション」の一環としても捉えられています。

実際、研究者の中には、あくびが他のワンちゃんとの間で「お互いを落ち着かせるためのシグナル」として働いているとする見解もあります。

たとえば、グループ内で緊張状態が高まったとき、あくびをするワンちゃんを他のメンバーが見て、徐々に雰囲気が和らいでいくという現象が確認されています。

むしろ憎めない“お茶目な一面”

怒っているときにあくびをするワンちゃんの姿は、見た目には矛盾しているように映りますが、その裏には「自分をコントロールしようとする努力」が隠されています。 たとえば、飼い主が叱ったときでも、ワンちゃんがあくびをすると、どこかお茶目な感じや、かわいらしさが垣間見えるものです。

まるで「怒っているフリをしているけど、本当はちょっと戸惑っているんだな」と、こちらに語りかけているようにも感じられます。

実際に、あくびは必ずしも「弱さ」や「失敗」のサインではなく、むしろ緊張をほぐし、落ち着きを取り戻すための知恵といえるでしょう。 ワンちゃんのあくびに、飼い主は怒りの裏にある複雑な心情や、少しの戸惑い、そして大切にしたい愛情を感じ取ってほしいと思います。


だからこそ、怒っているワンちゃんがあくびをする姿は、一見「なんだか矛盾してるな」と思いつつも、そのお茶目さや努力に憎めない魅力があるのです。


ワンちゃんの視力って??

「うちの子って、すぐ目の前にあるおやつを見つけられないことあるんだけど…」 「視力が悪いのかな? それともただのんびりしてるだけ?」──こんな疑問を持ったこと、ありませんか?

実は、ワンちゃんの視力は人間ほど良くありません。 でもご安心を。 ワンちゃんには、その“見えづらさ”を見事にカバーする力があるのです!

ワンちゃんの視力はどのくらい?

一般的に、ワンちゃんの視力は人間の1/6〜1/8程度とされています。 人間でいう「視力0.1〜0.2」くらい。細かいものや、遠くの静止物をはっきり見るのは少し苦手なんですね。

たとえば、飼い主が数メートル先で静かに立っていても、「誰だろう?」と首をかしげることがあります。 でも、ちょっとでも動いたり、声をかけたりすれば──ピタッと反応!

そう、ここがワンちゃんのすごいところ。 実は動体視力がスゴイ!

ワンちゃんは動くものを察知する能力が非常に高いです。 これは野生時代の名残で、獲物を追うために動くものにすばやく反応できる視覚構造をしているのです。

視野も広く、両目の間が離れているため、左右250〜270度もの範囲を一度に把握できるとも言われています。 私たちより低い目線で、動きのあるものにだけ「パッ」と目を向ける──そんな“動く世界のスナイパー”なのです。


暗いところにも強い!

さらに、ワンちゃんの目には「タペタム層(輝板)」と呼ばれる構造があり、夜間や薄暗い場所でも光を効率よく取り込めるようになっています。

このため、暗闇でも人間よりずっとよく見えるんです。 夜の散歩や、夕方の公園でも、ワンちゃんがしっかり道を歩けるのはこのおかげですね。

じゃあどうしておやつを見失うの?

よくある「目の前のおやつが見えない問題」は、 ・色の違いがわかりにくい(ワンちゃんは青・黄の2色視) ・背景とおやつの区別がつきにくい ・匂いと組み合わせて探すクセがある

などが原因。 つまり、視覚よりも“鼻と動き”に頼るタイプなんですね。

「目が悪い=不便」じゃない

私たちはどうしても“視力の良し悪し”に注目しがちですが、ワンちゃんたちは「見る」よりも「感じる・聞く・嗅ぐ」ことのほうがずっと得意。

その視力の弱さも、嗅覚・聴覚・動体視力でしっかりフォローしているのです。


だからこそ、視力に頼らずとも日常生活は問題なし! ワンちゃんにとって“世界の見え方”は、私たちとはまったく違うルールで成り立っているのです。



ワンちゃんには世界はどう見えてるの?

「うちの子、お気に入りのおもちゃを間違えるのはどうして?」 「赤いボールを投げたのに、なかなか見つけられない…」そんな時、ふと気になりませんか? ワンちゃんの目には、いったい世界はどんなふうに見えているのでしょう?


色の世界は“ちょっと少なめ”

私たち人間は、赤・緑・青の3つの色を識別する「3色型色覚(トリクロマット)」ですが、ワンちゃんは青と黄色の2色しか識別できない「2色型色覚(ジクロマット)」です。


つまり──

→ 灰色や黒に見える → 黄色っぽく見える → しっかり青と認識できる 黄色 → 明確に識別できる


赤いボールや服が見えづらいのは、決して目が悪いからではなく、色の捉え方そのものが違うからなんですね。

視野はとっても広い!

ワンちゃんの目は、人間よりもやや横に離れてついているため、なんと250度〜270度の広い視野を持っています(人間は約180度)。

これにより、周囲の動きに素早く反応でき、とくに「横から近づいてくるもの」に非常に敏感です。

ただし、中心視力(焦点を合わせる力)は弱めなので、細かい文字や静止した遠くのものは見えにくい傾向があります。

ワンちゃんの世界は、“におい+動き+音”の融合世界

視力は控えめでも、ワンちゃんにとっての現実世界は、 ・においの濃淡(嗅覚)

・微細な物音(聴覚)

・ 動きの変化(視覚) この3つが組み合わさって立体的に“感じる”もの。

私たちには見えない“情報のレイヤー”を読み取って、 「ここに何があるのか」 「誰がいたのか」 「今どうなってるのか」を瞬時に判断しているのです。


視力が低いからって、ワンちゃんの世界が“退屈”なわけじゃありません。 むしろ、私たちには到底かなわないセンサーで、とびきりダイナミックな世界を感じ取っているのです。


「同じ景色を見ていても、見えているものはまったく違う」 そんなふうに考えると、ワンちゃんとの暮らしがますます奥深く感じられますよね。


たまに寝言言ってない?

夜中、ふと横を見ると…寝ているワンちゃんがピクッと足を動かしたり、「クゥン…」と小さな声を出したり。 「あれ?もしかして今、寝言?」と思わず顔を覗き込んだ飼い主さんも多いはず。

そう、実はワンちゃんも寝言を言っている“らしい”のです。

ワンちゃんも夢を見るの?

答えは「おそらく、見ている」と考えられています。 根拠のひとつが、ラットを使った睡眠実験 MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究では、迷路を走るラットの脳活動を記録し、眠っている間に再び同じ神経パターンが現れることが確認されました。 つまり、夢の中で“日中の体験を再現していた”ということ。

この現象は、犬など他の哺乳類にも共通して起きると考えられており、ワンちゃんが眠りながら足をバタつかせたり、小さく吠えたりするのも、「今日の公園での冒険を思い出しているのかも…」というわけです。

レム睡眠とノンレム睡眠、ワンちゃんにもある?

人間と同様、ワンちゃんにもレム(急速眼球運動)睡眠ノンレム睡眠の2つの段階があります。

  • ノンレム睡眠は深い眠りで脳をしっかり休ませる時間

  • レム睡眠は浅い眠りで、夢を見るとされる時間

ワンちゃんは人間より睡眠サイクルが短く、90分程度でレム→ノンレム→レムと繰り返します そのため、寝ている間に“夢”に入るタイミングが比較的多く、その都度「寝言っぽい行動」が見られやすいんですね。


子犬は夢をたくさん見る!?

面白いのが、子犬ほどレム睡眠の時間が長いという点。 これは、脳が急速に成長しているからだと考えられており、「遊んだこと」「出会った人」「怖かった出来事」などが、寝ている間に整理・学習されている可能性があるんです。

つまり、子犬の寝言は、“日々の情報を夢で練習している”証拠かも!?

「クゥン」「キャン!」あれって夢の中?

もちろん、確実に「夢を見ている」とは科学的に証明されていません。 でも、寝言らしき声や動きはとても自然な生理現象で、健康な証拠とも言われています。

寝ているワンちゃんが…

・足をぴくぴく動かす ・口をくちゅくちゅさせる ・尻尾がかすかに振れてる ・「クゥン…」と声をもらす

──そんなときは、きっと夢の中でお気に入りの飼い主さんとまた遊んでいるのかもしれませんね。

起こさないで、そっと見守ってあげて

寝言が聞こえても、無理に起こすのはNG。夢の中でなにか“学びの時間”を過ごしているのかもしれませんし、急に起こすと混乱したりストレスになることもあります。

そっと撫でてあげたり、やさしく見守るだけでOK。 その寝言は、あなたと過ごした幸せな時間が、心にしっかり残っている証拠かもしれません。



まとめ──“なんで?”の奥にある、ワンちゃんの優しさと知恵

今回のパート2でも、ワンちゃんたちのちょっと不思議で、時には笑ってしまうような行動──匂いを嗅ぎまくる、突然のあくび、ピンポンに大騒ぎ、赤いボールが見えない!?──そんな「なんで?」をたっぷり掘り下げてきました。

一見すると不思議な行動にも、ワンちゃんたちなりのしっかりとした理由や感情の動きがあります。 そしてその多くが、 「飼い主さんを守りたい」 「安心させたい」 「楽しかったことを思い出してる」など、まっすぐで愛おしい“本音”の表れだったんです。

視力がちょっと弱くても、動体視力や嗅覚で世界を立体的に読み取る能力。 社会性を築いたり、空気を読んだり、夢で日常を復習したり。 ワンちゃんって、実はものすごく繊細で賢い生き物だと感じませんか?


これからも、ワンちゃんのしぐさひとつひとつに「もしかして、こういう気持ちなのかも?」と耳を傾けてみてください。 それだけで、あなたとワンちゃんの絆はもっと深く、優しく、あたたかくなっていくはずです。



※参考文献:藤井康一『いぬ大全304』(新星出版社、2021年)


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