犬は肉食?雑食?意外と知らないワンちゃんの食性


「ワンちゃんの祖先はオオカミなんだから、お肉だけ食べていればいいの?」
「ドッグフードにはお米や野菜も入っているけど、本当に必要なの?」
ワンちゃんのご飯について考えていると、一度はこんな疑問が浮かびませんか?
鋭い犬歯でお肉を豪快に食べる姿を見ると、どう見ても肉食動物。
一方で、ご飯や野菜を普通に食べるワンちゃんもいますし、人と暮らす中でさまざまな食材を利用できるようになっています。
では結局、犬は肉食なのか?雑食なのか?
栄養学的には、現在の家庭犬は「雑食性」と考えられています。
Merck Veterinary Manualでも、犬はオオカミより炭水化物の多い食事へ適応しており、栄養学的には雑食動物とされています。
ただし、私たち人間とまったく同じ雑食動物と考えるのも少し違います。
犬は食肉目(Carnivora)に属し、肉を食べることに適した体の特徴も色濃く残しています。
そこでこの記事では、ワンちゃんの食性をイメージしやすくするために、「肉食寄りの雑食」
と表現してお話ししていきます。
※「肉食寄りの雑食」は正式な学術分類名ではなく、犬の肉食動物としての特徴と、雑食性への適応の両方を分かりやすく表した言葉です。
「結局、何を食べさせればいいの?」というところまで、一緒に見ていきましょう。 ※犬の食性・栄養に関する情報は、Merck Veterinary Manual、VCA Animal Hospitals、WSAVA Global Nutrition Committee、および犬のデンプン消化適応に関する査読論文を2026年9月25日に確認しています。食事制限が必要な病気、食物アレルギー、膵炎、腎疾患などがあるワンちゃんは、自己判断で肉や脂質の量を増やさず主治医へ相談してください。
目次
犬は肉食?雑食?答えは「肉食寄りの雑食」
まず少しややこしいのが、犬が生物学的に食肉目(Carnivora)に分類されていることです。
「やっぱり肉食なんじゃないの?」
と思いますよね。
ところが、食肉目に属している=肉しか食べられないという意味ではありません。
たとえば、ほぼ植物を食べて暮らしているジャイアントパンダも食肉目の仲間です。
食肉目という分類は「現在何を食べているか」だけで決まっているわけではなく、進化や体の特徴などをもとにした分類なのです。
VCAでも、犬は食肉目に属しながら、栄養学的には肉と植物の両方を利用できる雑食動物と説明されています。
猫との違いを考えると、さらに分かりやすくなります。
猫は「完全肉食動物(obligate carnivore)」で、動物性食材から得ることを前提とした栄養代謝を持っています。
一方、犬は猫ほど肉だけに依存しておらず、植物由来の食材からもさまざまな栄養を利用できます。
つまり犬は、「お肉との相性がよい体を持ちながら、長い進化の中でいろいろな食べ物を利用できるようになった動物」と考えるとイメージしやすいでしょう。

オオカミと犬、食べるものは同じなの?
「犬の祖先はオオカミだから、オオカミと同じ食事が一番自然なのでは?」
これも、ワンちゃんの食事を考えるときによく出てくる疑問です。
確かに犬とオオカミは非常に近い関係にあります。
しかし、現在の家庭犬をそのまま“小さなオオカミ”として考えるのは単純すぎます。
犬は人と生活する長い歴史の中で、食生活も変化してきました。
その違いを象徴するのが、デンプンを消化する能力です。
2013年に『Nature』で報告された犬とオオカミのゲノム比較では、犬ではデンプンの消化や糖の利用に関係する遺伝子に変化がみられ、オオカミよりデンプンの多い食事へ適応してきたことが示されています。
特に知られているのが、膵臓のアミラーゼに関係するAMY2Bという遺伝子です。
アミラーゼはデンプンを分解する酵素。
この遺伝子のコピー数が、多くの犬ではオオカミより増えており、デンプンを利用しやすくなったと考えられています。
人のそばで暮らすようになった犬たちは、お肉だけではなく、人の食べ残しや穀類なども利用しながら生き延びてきたのでしょう。
ただし、ここも面白いところです。
すべてのワンちゃんがまったく同じではありません。
AMY2Bのコピー数には犬種や個体による違いがあり、歴史的にデンプンの多い食事をしてきた集団とそうでない集団でも差がみられます。
つまり、「犬なら何でも同じように消化できる」と考えるのではなく、その子自身の体調やウンチを見ながら食事を考えることがやはり大切なのです。

ワンちゃんの体には「肉食の名残」が残っている
雑食になったからといって、犬から肉食動物としての特徴が消えてしまったわけではありません。
口を見てみると、まず目立つのが大きな犬歯です。
そして奥には、お肉を切ったり裂いたりするのに適した歯があります。
草食動物のように植物を何度もすりつぶして食べるというより、食べ物を噛み切って飲み込むことが得意な口のつくりです。
そして、動物性タンパク質は犬にとって利用しやすい栄養源のひとつです。
お肉や魚には、体をつくるアミノ酸を含むタンパク質のほか、脂質、ビタミン、鉄や亜鉛などのミネラルも含まれています。
だからこそ、「犬は雑食だから、お肉はそれほど重要ではない」という考え方も極端です。
雑食という言葉は、「植物中心でよい」という意味ではなく、動物性食材も植物性食材も利用できる柔軟性を持っているという意味です。
犬には犬なりの、肉食動物から受け継いできた食事の特徴が残っています。

それでもお米や野菜を食べられる理由
一方で、「お米やじゃがいもが入ったドッグフードは、犬本来の食事ではないの?」
と心配する必要もありません。
犬には食事中のデンプンを消化するための酵素があり、適切に調理された炭水化物をエネルギー源として利用できます。
犬はデンプンを分解する酵素を持ち、穀物・豆類・野菜・果物などの炭水化物源を利用できるのです。
実は犬には、栄養学上「必ず炭水化物を何g食べなければならない」という意味での必須量は設定されていません。
だからといって、「炭水化物=犬には不要=悪いもの」ということでもありません。
炭水化物はエネルギー源になり、食材によっては食物繊維やビタミン、ミネラルなどを摂ることもできます。
野菜も同じです。
ワンちゃんが健康に暮らすために「野菜を必ず食べなければならない」という単純な話ではありませんが、適量の植物性食材を食事へ組み込むことはできます。
つまり、お肉しか食べられないわけでもない。 穀物や野菜を食べているから不自然なわけでもない。
ここが、犬の食性のおもしろいところです。

「肉食寄り」だからといって肉だけでは足りない
ここで、一番大切なところです。
「やっぱり肉食寄りなんだ!それなら赤身肉をたっぷり食べさせよう」
となってしまうのも、実は少し違います。
野生の動物が獲物を食べるとき、筋肉の赤身部分だけをきれいに切り取って食べているわけではありません。
筋肉だけではなく、内臓などさまざまな部位から栄養を摂ります。
家庭で赤身肉だけを主食として長期間与えると、カルシウムをはじめとするミネラルやビタミンなどが不足・偏重する可能性があります。
特に成長期の子犬では、カルシウムとリンなどの栄養バランスが骨格形成に関係するため、「お肉は体によさそうだから」と自己流で肉だけの食事にするのは避けたほうが安心です。
ワンちゃんに必要なのは、
「肉をどれだけ多く食べるか」ではなく、「必要な栄養を食事全体でどう揃えるか」
ということです。
だからWANMARTでは、ワンちゃんの食性を「肉食寄りの雑食」と考えるときも、
肉を中心に考えながら、必要に応じて内臓やその他の食材も組み合わせる
という視点を大切にしています。

ワンちゃんの食性に合わせたWANMARTの取り入れ方
ここまで読んで、「じゃあ、ワンちゃんらしい食事って実際どうすればいいの?」
と思った方もいるでしょう。
そんなときに取り入れやすいのが、“お肉だけ”と“いつものフード”の中間から始める方法です。
いろいろな部位を取り入れるなら「PERFECTシリーズ」
「赤身肉だけではなく、もっといろいろな部位を食事に取り入れたい」という場合には、WANMARTのPERFECTシリーズがあります。
現在はHorse・Beef・Venison・Pork・Chicken・Lamb & Mutton・Duck・Fish&Clamなど8種類を販売しています。
たとえばPERFECT Horseでは、国産馬肉をベースに、赤身肉だけでなく筋・軟骨・心臓・肝臓・腎臓・肺などの内臓、馬血、ビーツ、骨粉を組み合わせています。
「お肉=赤身部分だけ」と考えるのではなく、動物のさまざまな部位を食事に取り入れるというのがPERFECTシリーズの考え方です。
ワンちゃんの食性について知ったあとに見ると、
「なるほど、だから内臓まで使っているんだ」
と、商品の見え方もちょっと変わるかもしれません。
まずはお肉をちょい足しするなら「馬うまミンチ」
一方、
「今のドライフードは変えたくないけれど、動物性食材をもう少し取り入れてみたい」
という場合には、馬うまミンチのようなシンプルなお肉を少量トッピングする方法があります。
馬うまミンチは、赤身馬肉に亜鉛酵母を加えたWANMARTの定番商品で、現在100gから販売されています。
いつものご飯に少し混ぜるだけなので、「いきなり食生活を全部変えるのは不安」
という飼い主さんにも取り入れやすい方法です。
ただし、馬うまミンチは赤身肉を中心とした商品ですので、単一のお肉だけを長期的な主食として考えるのではなく、食事全体の栄養バランスを見ることが大切です。
また、生肉を与える場合には衛生管理も必要です。
生肉には病原菌などが含まれる可能性があり、冷凍してもすべての細菌が死滅するわけではありません。
手洗い、器や調理器具の洗浄、適切な保存・解凍を徹底し、小さなお子さん、高齢者、妊娠中の方、免疫機能が低下している方がいる家庭では特に注意が必要です。
生食だけが「正解」ということではありませんので、心配な場合は加熱して取り入れる方法も考えましょう。
「肉か野菜か」ではなく、その子に合う食事を
さて、最初の疑問に戻りましょう。
犬は肉食?それとも雑食?
栄養学的な答えは、雑食性です。
でも、その一言だけではワンちゃんの食性を十分に表せないところがおもしろい部分でもあります。
犬は食肉目の動物で、お肉を食べるのに適した特徴を今も持っています。
その一方、人と一緒に暮らしてきた長い歴史の中で、オオカミよりもデンプンを利用する能力を高め、肉だけに頼らずさまざまな食材から栄養を得られるようになりました。
だからWANMARTでは、理解しやすい言葉にすると、
「ワンちゃんは肉食寄りの雑食」
と考えるのがしっくりくると思っています。
ただしそれは、「肉をたくさん与えれば与えるほど犬らしい」という意味ではありません。
赤身肉だけでは足りない。
野菜だけでも単純ではない。
炭水化物だから悪いわけでもない。
大切なのは、その子の年齢、体格、運動量、体質、ウンチ、体重、そして健康状態を見ながら、必要な栄養を食事全体で整えることです。
ワンちゃんは何万年もの時間をかけて、人の隣で暮らせる食性へと変化してきました。
お肉をおいしそうに食べる姿には、肉食動物だった祖先から受け継いだ一面が見える。
その一方、私たちと一緒にさまざまな食材を食べられる体には、人と暮らしてきた長い歴史が刻まれている。
そう考えると、
毎日何気なく見ているワンちゃんのご飯も、ちょっとおもしろく見えてきませんか?
WANMARTも、「犬だから肉だけ」と決めつけるのではなく、ワンちゃんがもともと持っている食性を知ったうえで、その子に合った食事を考えることを大切にしていきたいと思います。









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