犬の「胆のう」って何をしてる?胆汁・胆泥・胆のうトラブルを解説


肝臓のとなりにある、小さな「胆のう」
健康診断や腹部エコーで、
「胆のうに少し胆泥がありますね」
と言われて、初めて「胆のう」という臓器を意識した飼い主さんもいるかもしれません。
肝臓や腎臓、膵臓と比べると、普段はあまり名前を聞かない胆のう。
でも実は、ワンちゃんが食べたものを消化するうえで、ちゃんと役割を持っています。
そして犬では、胆のうの中に胆泥がたまったり、胆汁がゼリー状になってしまう「胆のう粘液嚢腫」が見つかることもあります。
「胆泥があると言われたら病気なの?」「胆のうが悪いなら、脂っこいものは全部避けたほうがいい?」
そんな疑問も出てきますよね。
今回は、まず胆のうが何をしている臓器なのかを知ったうえで、胆泥や胆のう粘液嚢腫について順番に見ていきます。
目次
胆のうは「胆汁を作る場所」ではありません
まず少しややこしいのですが、胆汁を作っているのは胆のうではなく肝臓です。
胆のうは、肝臓で作られた胆汁をいったんためておき、必要なときに小腸へ送り出すための袋のような臓器です。
胆汁をためるだけでなく、濃縮する働きもあります。
では、胆汁は何のためにあるのでしょうか。
大きな仕事のひとつが、食事に含まれる脂肪の消化・吸収を助けることです。
胆汁に含まれる胆汁酸には、脂肪を細かな状態にして消化酵素が働きやすくする役割があります。
さらに、脂溶性ビタミンであるA・D・E・Kを吸収するためにも胆汁は欠かせません。
肝臓が胆汁を作り、胆のうが保管し、食事に合わせて腸へ送り出す。
こうして見ると胆のうは、目立たないけれど「食べたものを体に取り込む」ために働いている臓器なんですね。

健康診断でよく聞く「胆泥」って何?
腹部エコーを受けたときに、
「胆のうに胆泥があります」
と言われることがあります。
胆泥とは、その名前の通り、胆のうの中に泥のような沈殿物がたまっている状態です。
胆汁の流れが滞ったり、水分が吸収されて胆汁が濃くなったりすることで、こうした変化が起こります。
ここで知っておきたいのは、胆泥が見つかったからといって、すぐに重い病気というわけではないことです。
過去の研究では、健康な犬の腹部エコーでも胆泥が確認されています。
1998年の研究では健康な犬30頭のうち53%に胆泥が認められ、胆泥そのものは偶然見つかることも多いと報告されています。
一方で、「では放っておいて絶対に大丈夫か」というと、そこまで単純でもありません。
近年の研究では、胆泥の量が多い場合や、重力に従って動かない胆泥など、一部の状態では胆のう粘液嚢腫との関連が示されています。
154頭を追跡した研究では、そのうち20頭が胆のう粘液嚢腫へ進行しました。
つまり、
「胆泥がある=危険」でもなければ、「胆泥なら気にしなくていい」とも言い切れない。
エコーでどのくらいたまっているのか、動きがあるのか、血液検査に変化がないかなどを含めて、獣医師に経過を見てもらうことが大切です。

胆汁がゼリーのようになる「胆のう粘液嚢腫」
犬の胆のうで特に知っておきたい病気のひとつが、胆のう粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)です。
名前だけ聞くと難しいですが、簡単にいうと、胆のうの中に粘り気の強い胆汁や粘液がたまり、だんだんゼリーのような状態になっていく病気です。
進行すると胆汁の通り道をふさいでしまったり、胆のうの壁が傷んで破裂したりすることがあります。
胆汁がお腹の中へ漏れると、胆汁性腹膜炎を起こすこともあり、ここまで進むと命にかかわります。
比較的、中高齢のワンちゃんで多く、シェットランド・シープドッグ、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエルなどでは発症が多いことが報告されています。
ただし、「この犬種だから必ずなる」という意味ではありません。
高脂血症、甲状腺機能低下症、糖尿病、副腎皮質機能亢進症などとの関連も知られており、いくつもの要因が重なって発症すると考えられています。 原因については、まだ完全に解明されていません。

食欲がない、吐く、黄色っぽい……こんな変化には注意
胆のうのトラブルは、初期にはほとんど症状がなく、健康診断の腹部エコーで偶然見つかることもあります。
その一方、状態が進んでくると、食欲が落ちたり、吐いたり、お腹を痛がったりすることがあります。
胆汁の流れが妨げられると、白目や歯ぐき、皮膚などが黄色っぽく見える「黄疸」が現れることもあります。
「最近なんとなく食欲がない」という程度から始まる場合もあるので、症状だけで胆のうの病気を見分けることはできません。
診断では血液検査とともに腹部超音波検査が重要になります。
特に胆のう粘液嚢腫では、エコーで特徴的な胆のう内部の変化が見えることがあります。
急に元気がなくなった、強い腹痛がある、何度も吐く、黄疸が見られるといった場合は、健康診断まで待たずに動物病院へ相談してください。

「胆のうが気になるから脂質ゼロ」はちょっと待って
胆のうの話をすると、
「脂肪を消化する臓器なら、脂質はできるだけ減らしたほうがいいのでは?」
と思うかもしれません。
でも、ここは少し注意が必要です。
脂質はワンちゃんにとって必要な栄養素ですし、肝臓や胆のうの病気だからといって、すべてのワンちゃんに一律の低脂肪食が必要になるわけではありません。
多くの肝胆道疾患では脂肪の消化・吸収に問題がないため、必ずしも脂質制限を行う必要はないとされています。
ただし、胆のう粘液嚢腫がある子の中には高脂血症を伴うケースがあり、高脂肪食が状態の進行に関係する可能性も指摘されています。
そのほか膵炎などを併発していれば、食事内容を調整する必要が出てくることもあります。
つまり大切なのは、
「胆のう=脂質を全部減らす」と自己判断しないこと。
生肉やフレッシュフードについても同じです。
お肉の種類によって脂質量はかなり違いますし、その子の病気や血液検査の結果によって適した食事も変わります。
胆のうの病気を指摘されている場合は、「何を食べさせていいか」を主治医と相談したうえで、その子に合った内容を選んであげることが大切です。
WANMARTでも、食材そのものを「良い・悪い」で決めるのではなく、その子の体の状態に合わせて選ぶことを大切にしたいと考えています。

脂質を控えたいときに選びやすいWANMARTの食材
胆のうの状態によって食事管理は変わりますが、主治医から「脂質を少し控えましょう」と言われた場合は、脂身の多いお肉よりも、赤身やむね肉・ささみなどを選ぶ方法があります。
WANMARTで取り入れやすいのが、
国産ハーブ若鶏のむね肉とささみだけを使った、骨なしのシンプルなミンチです。
むね肉とささみは比較的脂質を抑えやすく、たんぱく質を補いたいときにも使いやすい食材。 パラパラになっているので、いつものごはんに少量ずつ加えることもできます。
赤身馬肉を中心にしたWANMARTの定番商品です。
馬肉は比較的高たんぱく・低脂質なので、「脂っこいお肉は少し控えたいけれど、お肉は取り入れたい」というときの選択肢になります。
いつものフードへのトッピングとして少量から始めやすいのも特徴です。
小さな胆のうも、毎日の「食べる」を支えている
胆のうは肝臓のそばにある、小さな袋状の臓器です。
自分で胆汁を作っているわけではありませんが、肝臓で作られた胆汁をため、食事のタイミングに合わせて腸へ送り出しています。
普段はほとんど意識することのない臓器ですが、腹部エコーをきっかけに胆泥が見つかったり、胆のう粘液嚢腫が分かったりすることもあります。
もし健康診断で「胆泥があります」と言われても、その言葉だけで必要以上に怖がる必要はありません。
大切なのは、今どの程度なのか、変化していないかを見ていくことです。
肝臓、胆のう、膵臓、腸。
ワンちゃんの体の中では、それぞれの臓器が別々に働いているように見えて、実は毎日の「食べる」を一緒に支えています。
胆のうについて知ることも、いつものごはんや健康診断を少し違った目で見るきっかけになるかもしれません。






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