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ワンちゃんとお薬② これで安心!ワンちゃんのワクチンと予防薬、選び方のヒント

執筆者の写真: WANMART
WANMART
6 時間前
読了時間: 9分
注射器を恐る恐るみつめるワンちゃん

「そろそろ予防接種の時期ですよ」


動物病院からお知らせが届くと、「あぁ、またこの季節か」と思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。


でも、ふと疑問に思うこともありますよね。


「ワクチンって毎年打つ必要があるの?」 「室内犬でもフィラリアやノミ・ダニの予防は必要?」

ワンちゃんの健康を守るためのワクチンや予防薬には、それぞれ大切な役割があります。


ただ、すべてのワンちゃんに同じ予防方法が必要というわけではありません。

今回は、ワクチンや予防薬の仕組みから、接種のタイミング、副反応、予防薬の選び方まで、飼い主さんに知っておいてほしいポイントを解説します。


「うちの子には何が必要なのかな?」と考えるきっかけにしてみてくださいね。


ワクチンで防げる病気と、その仕組み

ワンちゃんのワクチンは、命に関わる感染症から体を守るために使われています。


特に重要なのが、犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎などの病気です。


犬ジステンパーは、発熱や咳、鼻水などの症状を引き起こし、重症になると神経症状が現れることもあります。

犬パルボウイルス感染症は、激しい嘔吐や下痢、脱水などを引き起こす感染力の強い病気で、特に子犬では命に関わることがあります。

犬伝染性肝炎は、肝臓をはじめとする全身の臓器に障害を起こすことがあり、重症化すると危険な感染症です。

これらは、基本的にすべてのワンちゃんに接種が推奨される「コアワクチン」の対象です。


このほか、地域や生活環境によっては、レプトスピラ症や呼吸器感染症などへの予防接種も検討されます。

犬のワクチン予防ガイド 恒一

ワクチンは体に病気を覚えさせるもの

では、どうしてワクチンで病気を防げるのでしょうか?


ワクチンは、病原体の一部や毒性を弱めた病原体などを利用して、体の免疫システムに病気の原因を覚えさせるものです。

いわば、本物の病気に出会う前に行う「免疫の予行演習」です。


あらかじめ免疫の準備を整えることで、感染を防いだり、発症や重症化のリスクを減らしたりする効果が期待できます。


特に子犬は、母犬から受け継いだ免疫が徐々に弱まる時期があるため、適切なタイミングでワクチンを接種することが大切です。


注射を打たれるワンちゃん

ワクチンは毎年打たなきゃいけないの?

「去年も打ったのに、今年も必要なの?」


予防接種について、飼い主さんが気になる疑問のひとつですよね。


実は、すべてのワクチンを毎年接種する必要があるわけではありません。


ワクチンの種類によって、免疫が持続する期間が異なるからです。

狂犬病ワクチンは年1回が義務

日本では、狂犬病予防法によって、生後91日以上のワンちゃんに原則として毎年1回の狂犬病予防注射が義務付けられています。


狂犬病は人にも感染する病気で、発症するとほぼ助からない非常に危険な感染症です。


国内では長年、動物の狂犬病発生が確認されていませんが、海外では今も発生しているため、予防を続けることが大切です。


健康上の理由で接種が難しい場合は、獣医師や自治体に相談しましょう。

混合ワクチンは種類によって間隔が違う

一方、犬ジステンパーや犬パルボウイルス、犬伝染性肝炎に対するコアワクチンは、適切な初期接種を受けた成犬では、一般的に3年以上の間隔をあけられる場合があります。


ただし、レプトスピラ症などのワクチンは、年1回の追加接種が必要になることがあります。

つまり、「混合ワクチンだから毎年すべて打つ」という考え方ではなく、含まれる病気の種類やワクチン製品、これまでの接種歴に合わせて判断することが大切です。

子犬の場合は、母犬から受け継いだ抗体がワクチンの効果を妨げることがあるため、生後16週以降まで複数回の接種を行い、その後も必要に応じて追加接種します。


また、コアワクチンについては、抗体検査を利用して免疫の状態を確認できる場合もあります。

ただし、すべてのワクチンの代わりになるわけではありません。


接種間隔が気になるときは、獣医師に相談して、その子に合ったスケジュールを考えてもらいましょう。



ワクチンの副反応が心配…大丈夫?

「予防は大切だけど、注射の後に具合が悪くなったらどうしよう…」


そんな心配をする飼い主さんもいると思います。


ワクチンは病気を防ぐために役立つ一方で、副反応が起こる可能性もあります。

代表的なのは、注射した部分の腫れや痛み、一時的な元気・食欲の低下、軽い発熱などです。

多くは比較的軽い症状ですが、まれに強いアレルギー反応が起こることもあります。


特に、顔の腫れ、繰り返す嘔吐、呼吸が苦しそう、ぐったりして倒れるといった症状が見られた場合は、すぐに動物病院で診てもらう必要があります。

安心して接種するためには?

接種前には、その日の体調や持病、以前のワクチンで気になる反応がなかったかを獣医師に伝えましょう。


接種後は病院の指示に従って様子を見ながら過ごし、当日は激しい運動などを避けると安心です。


また、シニア犬だからといって一律にワクチンが不要になるわけではありません。


年齢だけで判断せず、健康状態や感染リスクを考えながら、必要な予防を続けることが大切です。


獣医師に寄り添うラブラドール

フィラリア症って何?予防薬が大切な理由

春から夏にかけて、動物病院で案内されることが多いフィラリア予防。


でも、「フィラリアって何の病気?」と聞かれると、意外と説明が難しいですよね。


フィラリア症は、蚊が運ぶ寄生虫によって起こる病気です。


感染した蚊に刺されることで幼虫がワンちゃんの体内に入り、成長すると主に肺の血管や心臓に寄生します。


進行すると咳や疲れやすさ、呼吸困難などが現れ、重症では命に関わることもあります。

フィラリア予防薬は蚊を防ぐ薬じゃない?

ここで知っておきたいのが、一般的なフィラリア予防薬の仕組みです。


実は、多くの予防薬は蚊を寄せつけないのではなく、蚊に刺されて体内に入ったフィラリアの幼虫を、成虫になる前に駆除する働きを持っています。


そのため、決められた間隔で投薬を続ける必要があるのです。


お薬には錠剤やチュアブル、皮膚につけるスポットオンなど、さまざまなタイプがあります。


予防する期間は地域の気候や製品によって異なりますが、年間を通じた予防を推奨する専門団体もあります。

飲み忘れてしまったらどうする?

「先月のお薬、飲ませるのを忘れてた!」


そんなときは、自己判断で2回分をまとめて与えず、動物病院に相談しましょう。


飲み忘れた期間によっては、予防を再開する方法の確認やフィラリア検査が必要になります。


また、感染してすぐの段階では検査で確認できないこともあるため、一定期間後に再検査を行う場合もあります。


フィラリア症は感染してからの治療が難しいこともある病気です。


毎年の検査と適切な予防を続けることで、大切なワンちゃんを守ってあげたいですね。


ワンちゃんの目に留まる蚊

ノミ・マダニ予防は室内犬にも必要?

「うちの子は家の中にいることが多いし、ノミやダニは大丈夫じゃないかな?」


そう思う飼い主さんもいるかもしれません。


でも、ノミやマダニは草むらや山だけでなく、公園や庭先など、身近な場所にも潜んでいます。


ノミに寄生されると、かゆみやアレルギー性皮膚炎が起こることがあります。

また、瓜実条虫という寄生虫の感染につながる場合もあります。

一方、マダニはバベシア症などの病原体を媒介することがあり、人にも感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などにも注意が必要です。

予防薬にはどんな種類がある?

ノミ・マダニの予防・駆除薬には、主に飲み薬、スポットオン、薬剤を含む首輪タイプなどがあります。


それぞれ作用や効果の持続期間が異なるため、ワンちゃんの体質や生活スタイルに合わせて選びます。


例えば、飲み薬が苦手な子ならスポットオン、皮膚が敏感な子なら別のタイプを検討するなど、選び方はさまざまです。


フィラリア・ノミ・マダニをまとめて予防できる製品もあります。

ただし、どのお薬もすべてのワンちゃんに合うわけではありません。  年齢や体重、持病、使用中のお薬なども含めて、獣医師と相談しましょう。


また、散歩から帰ったら、耳の周りや脇、足の付け根などを確認する習慣も大切です。


皮膚に食い込んだマダニを見つけた場合は、無理に引き抜かず、動物病院で適切に取り除いてもらいましょう。


飲み薬を投与される子犬

予防はみんな同じじゃなくていい!うちの子に合った選び方

ワクチンや予防薬について調べると、「海外では3年に1回らしい」「うちの子のお友達は違う薬を使っている」など、さまざまな情報を目にしますよね。


実際、予防接種の制度や推奨される接種間隔は国によって異なります。

例えば、狂犬病ワクチンは日本では毎年1回の接種が義務ですが、海外には使用するワクチンや地域の法律に応じて3年間隔で接種する場合もあります。


これは単純に、どちらが進んでいるという話ではありません。


その地域での感染症の発生状況や法律、ワクチンの種類などによって、予防の考え方が違うということです。

室内犬だから予防しなくてもいい?

室内で暮らすワンちゃんは、屋外で活動する機会が多い子に比べて、一部の感染症や寄生虫に接触する機会が少ない場合があります。

ただし、リスクがゼロになるわけではありません。


フィラリアを運ぶ蚊は家の中に入ることがありますし、ノミやマダニが人の衣服やほかの動物などを介して持ち込まれる可能性もあります。

また、動物病院やトリミングサロンなど、ほかのワンちゃんと接する機会もありますよね。


一方、山や川で遊ぶことが多い子では、レプトスピラ症やマダニが媒介する感染症などへの備えが、より重要になる場合があります。

年齢や体質によっても変わる

同じ犬種でも、年齢や持病、過去の副反応などによって適切な予防方法は異なります。


子犬では免疫を獲得するための接種計画が重要ですし、シニア犬では現在の健康状態を確認しながら予防を進めることが大切です。

つまり、ほかのワンちゃんと同じ方法にこだわる必要はないということ。


ただし、狂犬病予防注射のように法律で義務付けられたものや、基本的にすべての犬に推奨されるコアワクチンもあります。


「全部やるか、全部やめるか」ではなく、必要な予防を正しく理解し、その子に合った方法を獣医師と相談して選んでいきましょう。

獣医師とビーグルのハイタッチ

ワンちゃんの健康を守るために、できる予防を続けよう

ワクチンや予防薬は、目に見えない病気からワンちゃんを守るための大切なものです。


でも、「毎年同じものを使えば安心」「室内犬だから必要ない」と、ひとくくりにはできません。


予防する病気によって必要な方法は異なりますし、ワンちゃんの年齢や体質、暮らし方によっても考え方は変わります。

大切なのは、何のために予防するのかを知り、その子に必要な対策を無理なく続けること。

少しでも疑問があれば、遠慮せずに獣医師へ相談してください。


ワンちゃんは自分で予防薬を選ぶことができません。


だからこそ、私たち飼い主が正しい知識を持ち、その子に合った選択をしてあげたいですね。


大好きなワンちゃんが、これからも元気いっぱいに過ごせるように。毎日の健康管理と一緒に、予防も大切にしていきましょう。


動物病院で診察を受けるコーギー

 参考文献

  • 金田剛治 監修・金田寿子・山口登志宏 著 『ちゃんと知りたいペットのお薬のこと』 誠文堂新光社




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