フレンチブルドッグ完全ガイド|"大変だけど幸せ"が詰まった毎日
- WANMART
- 5月18日
- 読了時間: 27分
更新日:6月25日

あなたは「フレンチブルドッグ」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか? 愛嬌のあるぺちゃっとした顔、ムチムチのボディ、そしてコミカルな動き。 SNSでも大人気で、街中でも見かける機会が増えてきました。
ですが実は、フレンチブルドッグはとても飼いやすい犬種…
とは言いがたい存在でもあるのです。
愛らしい見た目とは裏腹に、体がとてもデリケートで、暑さに弱く、皮膚トラブルも多く、呼吸器の問題を抱えやすい…
そんな「お世話の手間がかかる犬」として知られています。
では、なぜそんなに手のかかる犬が、これほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか?
一緒に暮らすと、もう虜。唯一無二の“人懐っこさ”
答えはカンタンです。 フレンチブルドッグは、一緒に暮らしてこそその魅力がわかるタイプの犬種だからです。
彼らの魅力は、ただの「可愛い」では語り尽くせません。 ちょっとおっちょこちょいで、甘えん坊で、気難しがり。
でもどこか「おじさん」のような落ち着きもある。
そんな独特のキャラクターが、家族の心にスッと入り込んで、気づけばなくてはならない存在になっているのです。
飼う前に知っておきたい「現実」もある
ただし、見た目の可愛さだけで安易に飼い始めると、思わぬ苦労に直面することも。 暑さへの弱さ、皮膚や呼吸のトラブル、運動量の調整、ごはんの管理など、「犬らしい丈夫さ」があまりないというのが正直なところ。
この記事では、そんなフレンチブルドッグの魅力とともに、「飼う前に知っておきたい現
実」もしっかりお伝えします。

フレンチブルドッグってどんな犬?
独特なルックスと個性のかたまり
フレンチブルドッグといえば、まず目を引くのがその“独特な見た目”です。
体はコンパクトながら、がっしりとした筋肉質なボディ。 歩く姿もどことなくがに股で、ポテポテとした動きがまるでキャラクターのよう。 その体に乗っかっているのが、「バットイヤー(こうもり耳)」と呼ばれる大きな立ち耳です。
さらに最大の特徴といえるのが、その顔立ち。
短くつぶれた鼻に、ぐいっと詰まったマズル(口元)、そして大きな丸い瞳。
いわゆる“ぺちゃ顔”なのですが、表情が非常に豊かで、まるで人間のような感情が読み取れると言われるほどです。
嬉しいときにはニコニコと笑っているように見えたり、怒られてしょんぼりしているような顔をしたり。
家族の会話に「うんうん」とうなずくような仕草を見せることもあり、まるで“中に人が入っているのでは?”と思わされる瞬間もあるほど。
「不器用なおじさん」のような魅力
フレンチブルドッグの魅力を語るうえで欠かせないのが、そのどこか「人間っぽい」仕草や振る舞いです。
喜怒哀楽がストレートで、何かを訴えるときは全力。
機嫌がいいときはぴょんぴょん跳ねたり、ふてくされて寝るときは布団に顔をうずめたり。まるで小さな子どもか、ちょっと不器用なおじさんのような存在感なのです。
しかも、本人は自分のことを「犬」だと思っていないフシがあります。
人間と同じように過ごしたいし、家族とずっと一緒にいたい。 それゆえに、留守番が苦手な子が多く、分離不安になることも少なくありません。
だからこそ、「手がかかる」と言われるのも事実ですが、それ以上に「可愛さが深い」と多くの飼い主が口をそろえます。
一緒に暮らせば暮らすほど、どんどん魅了されていく。それがフレンチブルドッグの“底なしの愛され力”なのです。
毛色によって印象も性格も違う?代表的なカラーを紹介!
フレンチブルドッグの魅力のひとつに、「毛色のバリエーション」があります。 見た目の印象はもちろん、カラーによって性格傾向に違いが出ると感じる飼い主さんも多いんです。 ここでは代表的な4種類をピックアップしてご紹介します。
ブリンドル 〜最もフレンチらしい重厚な魅力〜
ブリンドルは、黒をベースに茶や赤の縞模様がうっすらと入ったカラー。
遠目には黒に見える子も多いですが、よく見ると複雑な模様が浮かび上がっており、光の当たり方で表情が変わります。
最も「フレンチブルドッグらしい」カラーとして人気があり、ショードッグ(犬の品評会)でもブリンドルがスタンダードとされることが多いです。
見た目は落ち着いていてどこか渋く、「THE・大人なフレブル」といった印象。
一方で、性格はとてもバランスが良く、明るすぎず、暗すぎず、人見知りも少ないタイプが多いと言われています。
【魅力】
頑丈な印象を与える精悍なルックス
どっしりとした安心感がある
初めて飼う人にもおすすめの安定した性格
【注意点】
被毛の手入れは比較的ラクだが、模様の入り方は個体差が大きいため、成長とともに変化する場合も
ブリンドルの子は、いわば「影の立役者」。 派手さはないものの、一緒にいると安心できる存在感があり、ずっとそばにいてくれる“相棒”のような雰囲気を持っています。

クリーム 〜優しげで愛嬌たっぷりの人気者〜
クリームは、明るく淡いベージュ色の毛色。 真っ白というよりは、ほんのり黄色味がかったアイボリー系のカラーで、やさしく上品な印象を与えます。
その明るいカラーのおかげで、顔立ちの表情がよく映えるため、SNSや写真でも非常に映えやすく、日本では特に人気のあるカラーです。
性格面では「甘えん坊」「人懐っこい」と言われることが多く、飼い主さんにベッタリな“ストーカー系”の子も多め。
明るい毛色ゆえに皮膚トラブルが目立ちやすい点は注意が必要ですが、それを差し引いても「一緒にいて癒される」存在感が魅力です。
【魅力】
明るくやさしい雰囲気で誰からも愛される
表情が豊かで写真映えしやすい
甘えん坊で家族との距離が近い子が多い
【注意点】
皮膚炎やアレルギーの兆候がわかりやすいが、逆に早期対応が可能とも言える
クリームのフレブルは、「家族のムードメーカー」のような存在。落ち込んでいるときにそっと寄り添ってくれるような包容力があります。

パイド 〜世界に一頭だけの模様が魅力〜
「パイド(Pied)」とは、白をベースに黒やフォーン(茶系)のぶち模様が入る毛色です。模様の入り方やバランスは本当に十人十色で、まさに「世界に一頭だけの模様」と言える個性豊かなカラーです。
黒×白のクラシックな組み合わせは「ブラックパイド」、茶×白の優しい印象の組み合わせは「フォーンパイド」と呼ばれ、それぞれにファンが多く存在します。
パイドの最大の魅力は、やはり個性の強さ。 模様の入り方で印象がまったく変わるため、運命の子に出会った瞬間のインパクトは他のカラー以上かもしれません。
性格面でも、陽気で明るく、テンションが高めな子が多い傾向があります。人との交流が好きで、家族はもちろんお客さんにも愛想よく接してくれる「社交的なタイプ」が多く見られます。
【魅力】
オンリーワンの模様が楽しい
明るく元気な性格の子が多い
写真映え・話題性抜群!SNS向き
【注意点】
模様によっては顔の左右で印象が大きく違うこともある
白毛部分が多い子は皮膚が弱かったり、涙やけが目立ちやすい傾向がある
また、白毛が多い子は視覚・聴覚への影響(先天的な聴力低下など)を指摘されることもありますが、これは全てのパイドに当てはまるわけではありません。
信頼できるブリーダーやショップで健康状態を確認したうえで迎えることが大切です。
とはいえ、パイドの子はまるで“お笑い担当”のような存在で、明るく場を盛り上げてくれるのが特徴。 にぎやかな家庭や、子どもがいるご家庭には特におすすめです。

フォーン 〜温かみのある素朴で上品なカラー〜
フォーンは、淡いベージュから濃いキャラメルブラウンまでの茶系統の毛色を指します。
陽に当たると赤みがかって見えることもあり、「ライオンみたい!」と言われることもある、エレガントで自然な印象が魅力のカラーです。
フォーンの中でも特に人気なのが「ブラックマスク(黒い鼻先)」の子。
顔の中心が引き締まって見えるため、柔らかい印象の中に精悍さも感じられると好評です。
フォーンの子は、毛艶が良くなるととても美しく、健康状態が毛並みに反映されやすいのも特徴。
お手入れ次第で「うちの子、輝いてるね!」と言われることも多いかもしれません。
性格面では、穏やかで控えめ、人見知りをする子もちらほら。
騒がしいよりも“静かに一緒にいる”ことを好む子が多い印象です。落ち着いた家庭や、シニア層との相性が良いと言えるでしょう。
【魅力】
上品でナチュラルな毛色が美しい
毛艶の変化で健康状態がわかりやすい
落ち着いた性格の子が多く、のんびり暮らしたい方に最適
【注意点】
夏場の直射日光で毛色が薄くなる(色褪せ)ことも
皮脂が目立ちやすく、こまめなブラッシングが必要なこともある
フォーンのフレブルは、まさに「じわじわくる可愛さ」。 派手さはないけれど、暮らしていくうちにしみじみ「やっぱりこの子でよかった」と思えるような、そんな深い魅力があります。

毛色の違い=性格の違いではないけれど
もちろん、毛色で性格が決まるわけではありません。
しかし、ブリーダーさんや多くの飼い主さんの声を聞いていると、
「このカラーの子はこういう傾向があるかも…」という印象があるのも事実です。
大切なのは「色で選ぶ」のではなく、「暮らしのスタイルに合う子を選ぶ」こと。
たとえばアウトドアが好きなご家庭なら、暑さに配慮しながら行動できる落ち着いた子を。写真をたくさん撮りたい人なら、明るい毛色の子を選ぶのも良いでしょう。
フレンチブルドッグは“個性のかたまり”
フレンチブルドッグは、色・模様・性格まで、一頭ずつとにかく個性的。 「同じ犬種でも、こんなに違うの?」と驚くこともしばしばです。
飼う前にそれぞれの特徴を知り、自分たちの生活スタイルに合った子と出会えれば、きっとかけがえのないパートナーになってくれるはずです。
歴史・ルーツ 〜小さな愛嬌のルーツは“働き者の血筋”〜 フレンチブルドッグの祖先は“イギリスの労働者の相棒”
「フレンチ」と名のつくこの犬種ですが、実はそのルーツはイギリスにあります。
19世紀初頭、イングランドのノッティンガムでは、レース産業が盛んに行われていました。レース職人たちが愛したのが、小型のブルドッグタイプの犬。
愛玩犬というよりも、ネズミ取りや見張り番としての役割が強かったとされています。
この小型ブルドッグは、筋肉質な体と短い鼻、がっしりとした体型を持ちつつも、当時の大型ブルドッグに比べると柔らかな性格。 まさに“働き者の家庭犬”という存在でした。
しかし、19世紀中頃、産業革命の影響でイギリス国内の手工業は次第に衰退。
多くのレース職人が職を求めて海を渡り、フランスへ移住することになります。
フランスで進化を遂げた“小さなブルドッグ”
レース職人たちは、イギリスから連れてきた小型のブルドッグをフランスへ持ち込みます。この犬たちは、フランスの庶民層、特にパリの労働者や商人、さらには芸術家たちの間で一躍人気者に。
その理由は、ただ「可愛いから」ではありません。
コンパクトなサイズで都会の狭い住宅にもなじむ
番犬としての警戒心はありつつ、人懐っこく穏やか
表情が豊かでユニーク、かつ“お調子者”な愛嬌
こうした性質が、当時のフランス人たちの心にぴたりとハマったのです。ここから、この犬たちはさらに小型化・改良されていき、今のフレンチブルドッグの原型が完成していきました。
ちなみに、フランスではこの犬種を「ブール・フランセ(Bouledogue Français)」と呼びます。
直訳すると“フランスのブルドッグ”。そのままですね。

上流階級、芸術家、パリジェンヌに愛された「小さな紳士」
19世紀末になると、フレンチブルドッグは次第に芸術家や貴族階級のアイコン的存在になっていきます。
特にパリのキャバレー文化やモンマルトル界隈で活躍した画家・作家・舞台女優たちの間で「愛すべき相棒」としてブームが起こりました。
トゥールーズ=ロートレックの絵画に登場したり、女優コレットが愛犬として連れて歩いていたりと、カルチャーシーンの中でフレンチブルドッグが存在感を発揮しはじめたのです。
彼らの目には、フレンチブルドッグがまるで“パリジャン”のように映ったのかもしれません。
気取らず、でもどこかエレガント。ちょっと不器用だけど芯がある。そんなフレンチの気質が、この犬に投影されたのでしょう。
アメリカで“耳のかたち”を巡って大論争
20世紀初頭、フレンチブルドッグはついに海を渡ってアメリカへ輸出されます。 しかしここでちょっとした問題が起こります。
それが、「耳の形」問題です。
当時のヨーロッパでは、ローズイヤー(バラのように少し折れた耳)を持つフレンチブルドッグも多く、「これもフレンチだ」とされていました。
一方、アメリカ人たちは現在私たちがよく目にする立ち耳=バットイヤーこそが正統派と主張。
激しい議論の末、1898年にアメリカンケネルクラブ(AKC)がバットイヤーをスタンダードとして認定し、それが現在のフレンチブルドッグの標準となったのです。
この時期に設立された「フレンチ・ブルドッグ・クラブ・オブ・アメリカ」は、世界で初めての犬種クラブであり、フレンチブルドッグの繁栄を支えた先駆け的存在とも言えるでしょう。
日本ではどう定着したの?
日本でのフレンチブルドッグの本格的な人気は、2000年代以降。 とくにSNSの普及以降、
「このブサカワな顔がたまらない!」 「鼻ペチャ犬の魅力にハマった!」
という飼い主さんが急増し、都心部を中心に飼育数がぐんと伸びました。
現在では、「柴犬」「トイプードル」「ミニチュアダックス」に次ぐ人気犬種のひとつとして確固たる地位を築いています。
ただし、飼育数が増える一方で、呼吸器の問題や暑さによるトラブルが報告されることも増加しており、今後ますます正しい飼い方・向き合い方が問われる犬種でもあります。

短所だらけ?でもそれを超えてくる“性格の魔力” 一言でいうと「ワガママな甘えん坊」?
フレンチブルドッグの性格をひと言でまとめるなら、それはズバリ「頑固で甘えん坊で、お調子者」。
まず第一に挙げられるのが、その頑固さです。 「これ以上歩きたくない」と思えば、真ん中の道路でペタリと伏せて動かなくなる。 「気分じゃない」と感じたら、おやつもオモチャも見向きもしない。
こちらがどんなに必死になっても、“自分の気持ちが最優先”というマインドで生きている子が多いのです。
しつけが入りにくいというほどではありませんが、トレーニングに一貫性と根気が必要な犬種と言えるでしょう。
留守番は苦手、依存は強め
そして見落とせないのが、寂しがり屋な一面。 フレンチブルドッグは、とにかく家族が大好きです。 四六時中そばにいたい、できれば膝の上にいたい、できれば抱っこされていたい。
そんな愛情の押し売りのような存在感があります。
この性格があるがゆえに、長時間の留守番が苦手だったり、分離不安になる子もいます。 トイレの失敗や無駄吠え、いたずらなども、実は「寂しかったサイン」だったというケースも少なくありません。
仕事で日中家を空けがちだったり、家族が常に忙しいご家庭には、ちょっとハードルが高いかもしれません。
頭がいい? いや、“人間観察力”がすごい
「フレンチブルドッグって賢いの?」と聞かれることがあります。
答えは「Yesでもあり、Noでもある」です。
覚えの早い子もいますが、一般的にいう「コマンドを次々こなすようなタイプ」ではありません。
それよりも、“人の心の動きに敏感で、空気を読むのが得意”というタイプです。
飼い主が落ち込んでいれば、そっと横に座ってくれる
機嫌がいいときは、はしゃいで笑わせてくれる
叱られそうなときは、あざとい顔で目をそらしてごまかす
こうした“人間観察力”の高さが、時にずる賢く見えることもあります。 でも、それがまた「この子、ほんと人みたいだなあ」と思わせる魅力につながっているのです。
社交的だけど気分屋。犬付き合いは相性次第
フレンチブルドッグは基本的に人が大好きでフレンドリーな性格の子が多いですが、他の犬との相性には個体差があります。
子犬の頃から犬同士の関わりを学ばせていないと、グイグイ来る子に対してうなったり、急に怒るという一面を見せることも。特に、自分のテリトリーに入ってくる相手に対しては敏感です。
ただしこれは「攻撃的」なのではなく、ちょっと不器用な“人見知り”のようなもの。 「急に来ないでよ」 「今は構わないでよ」そんな気持ちを、吠えたり逃げたりで伝えているだけなのです。
この態度が「空気が読めない」と勘違いされてしまい、犬同士のコミュニティに上手く馴染めないことも少なくありません。
だからこそ、フレンチブルドッグにとっても“犬同士の相性”は大事。
無理にドッグランで遊ばせるよりも、信頼できる子とゆっくり関係を築かせるほうが、性に合っているかもしれません。
でも、全部ひっくるめて“この子が最高”
ここまで読むと、「えっ…こんなに扱いが難しいの?」と心配になる方もいるかもしれません。
でも、不思議なんです。
これだけ手がかかることを並べても、「それでもこの子が最高なんです」と言う飼い主さんが本当に多い。
玄関で音がすると走ってきて、おすわりして待つ姿
頭をちょこんと乗せてきて、目をうるうるさせる表情
お風呂上がりにタオルの上で転がりながらくしゃみする顔
結局、全部愛おしい
短所があるというより、「全部が個性」で、それを知ってもなお、「あぁ、うちの子って最高だな」と思えるのがフレンチブルドッグの魅力です。

かかりやすい病気と対策 〜「知っておくこと」で守れる健康〜
可愛い顔の裏に“弱点”あり?構造的に注意が必要な犬種です
フレンチブルドッグは、そのユニークな見た目が最大の魅力。 でも実はその“ぺちゃ顔”や“ずんぐり体型”こそが、健康面のリスクにもつながっています。
特に注意が必要なのが、以下の5つの分野です:
呼吸器系
皮膚疾患
消化器系(下痢・嘔吐)
関節・椎間板疾患
目・耳・歯などのケア
順に詳しく見ていきましょう。
1. 【呼吸器系】短頭種気道症候群(BOAS)
呼吸が「ゼーゼー」「ガーガー」していたら要注意
フレンチブルドッグは「短頭種」に分類され、鼻が短いため、呼吸がしにくい構造を先天的に抱えていることが多いです。
代表的なのが「短頭種気道症候群(BOAS)」と呼ばれる病態。
鼻の穴が狭かったり、喉の奥の軟口蓋が長すぎたりといった理由で、呼吸がうまくできず、常に苦しそうに息をしている状態になることがあります。
特に夏場は、体温調節がうまくできず、熱中症のリスクが極めて高いです。
対策は?
真夏の散歩は早朝や深夜に。日中は絶対NG!
エアコンは“冷えすぎ”より“効かせ続ける”がポイント
冷却マット・保冷剤入りバンダナなどの活用
呼吸が異常に荒い、いびきがひどい場合は獣医へ
2. 【皮膚】アレルギー性皮膚炎やマラセチア
フレンチブルドッグは皮膚が弱い犬種としても知られています。 皮脂分泌が多く、しわの間に汚れがたまりやすいため、「赤くなる」「かゆがる」「臭いが強くなる」といった症状が出やすいのです。
とくにアレルギー性皮膚炎や、カビの一種である「マラセチア」による皮膚炎が代表的です。
対策は?
顔のしわ・耳の中・指の間を週1〜2回のこまめな拭き取りケア
フードを見直す(低アレルゲン・グレインフリーなど)
シャンプーは月1〜2回、皮膚に合った低刺激のものを選ぶ
WANMARTのような素材にこだわった自然食も皮膚トラブル軽減に効果的です
3. 【消化器系】嘔吐・下痢・食物アレルギー
「うちの子、すぐお腹こわすんです…」そんな声が多いのも、フレンチブルドッグの特徴のひとつです。
胃腸が繊細な子が多く、フードの切り替えやちょっとしたストレスでも下痢や嘔吐をしやすい傾向にあります。
また、鶏肉や小麦などにアレルギー反応を起こす子も多いため、食事内容にはかなり気を配る必要があります。
対策は?
フードの変更は少しずつ混ぜながら1〜2週間かけて
アレルゲンになりにくいラム肉・馬肉・鴨肉などのWANMARTのような「シンプルで高品質な生肉」を選ぶのも効果的
定期的にうんちの様子をチェックし、異常があればすぐに受診を
4. 【関節・椎間板】ヘルニアやパテラ
短足・胴長・がっしり体型のフレブルは、実は腰や膝に負担がかかりやすい体のつくりです。 特に注意したいのが、以下のような病気:
椎間板ヘルニア(背骨に痛みや麻痺)
パテラ(膝蓋骨脱臼)
どちらも進行すると歩けなくなるリスクがあるため、早期発見が重要です。
対策は?
フローリングはすべり止めマットやラグを敷く
過度なジャンプ・段差の上り下りは避ける
関節サポート成分入りのおやつ(例:WANMARTの緑イ貝ふりかけなど)も◎
足元に滑り止めマットを敷いたリビング
5. 【目・耳・歯】“日常ケア”が健康のカギ
フレンチブルドッグは目が大きく、角膜潰瘍や結膜炎になりやすい犬種です。 また、立ち耳は蒸れにくい代わりに外耳炎が慢性化しやすい傾向も。
さらに、口が小さいぶん歯のケアもしにくく、歯周病が早期に進行することもあります。
対策は?
目ヤニが多いときは清潔なコットンで優しく拭き取る
耳の中は無理に掃除しすぎず、週1回のケアが目安
歯ブラシが苦手な子には噛むおやつ+ジェルタイプのデンタルケアを併用するのもおすすめ
「知っていれば、守れる」
フレンチブルドッグは、構造的に病気のリスクを抱えやすい犬種であることは事実です。 でも、その多くは「事前に知っておくこと」「日頃の観察とケア」でしっかり防げます。
大切なのは、「この子は少しデリケートなんだ」という前提で寄り添ってあげること。 その手間の分だけ、フレンチブルドッグは全身全霊であなたに愛情を返してくれるはずです。
飼い方のポイント
〜フレンチブルドッグの快適な暮らしをつくる4つの柱〜
1. 食事:シンプル&高品質がキーワード
フレンチブルドッグのごはんは、「胃腸にやさしく」「栄養バランスのよい」ものを選ぶことが最重要ポイントです。
体が丈夫な犬種ではないため、原材料に不安のあるフードや添加物の多いおやつは避けた方が無難。
アレルギーや皮膚トラブルに悩まされる子も多いため、なるべくシンプルな食材で構成されたフードや手作り食がおすすめです。
また、フレンチブルドッグの食事は、季節によって脂肪量を調整することが健康維持のカギとなります。
秋冬は寒さによって体温を保つためのエネルギー消費が増えるため、高たんぱく・中脂肪の食事が適しています。
脂肪はエネルギー源となり、寒さによる体力消耗を補ってくれるからです。
一方、春夏は気温が高くなることで運動量が落ちやすく、体温調節も苦手なフレンチには体に熱がこもりやすくなる季節です。
そのため、消化負担を減らし、体内に熱がこもりにくい高たんぱく・低脂肪の食事が理想的。
特に夏場は脂肪過多による下痢や嘔吐を引き起こす子もいるため、消化のよいWANMARTの生肉シリーズなどを上手に活用すると、体調管理がしやすくなります。
▶ WANMARTの生肉を取り入れてみよう
「ドライフードだけではちょっと不安…」「もっと新鮮なものをあげたい」という方におすすめなのが、WANMARTの生肉シリーズです。
赤身肉は“パワフル”だけど注意も必要
フレンチブルドッグにとって、たんぱく質は健康な筋肉や被毛を維持するために欠かせない栄養素です。
特に牛肉などの赤身肉には鉄分や亜鉛が豊富に含まれており、貧血予防や免疫力の強化にも役立ちます。
ただし、赤身肉はアレルギーを引き起こしやすいとされる食材でもあります。
とくに飼育歴の長い犬や、同じタンパク源を長く摂取し続けてきた子は、食物過敏を起こしやすくなる傾向にあるため、注意が必要です。
アレルギーのない子にはこれらもオススメです。
馬肉:高タンパク・低脂肪でダイエット中の子にも◎
ラム肉:アレルギーが起きにくく、鉄分・亜鉛も豊富
これらはドライフードの上にトッピングとして乗せたり、週に数回の“特別メニュー”として与えるだけでも効果的です。
「最初は少量から」でOK。うちの子の食いつきやお腹の調子を見ながら量を調整していきましょう。
白身肉や魚は「消化にやさしい安心素材」
一方で、鶏肉・豚肉・白身魚などの白身系たんぱく質は、アレルギーの発症リスクが比較的低く、消化吸収にも優れているため、日常のベース食材として非常に優秀です。
特に鶏ささみや白身魚(タラなど)は脂質が少なく胃腸にやさしいため、お腹の弱い子やシニア犬の主食にも向いています。
また、青魚(マグロやサバ)に含まれるDHA・EPAは、皮膚の健康や関節の柔軟性を保つうえで非常に有効。
WANMARTの「本マグロふりかけ」は、こうした良質な魚由来の栄養素を日々のごはんに手軽にプラスできる便利アイテムです。
鹿肉・猪・カンガルーなど“野性肉”という選択肢
最近注目されているのが、鹿肉や猪肉、カンガルー肉などの「野生肉」=ノベルプロテインです。
これらはもともと自然界で生きている動物たちの肉であり、人間の食事に使われる機会が少ない=ワンちゃんにとって“初めて接するタンパク源”になりやすいのが特徴です。
初めての食材ということは、アレルギー反応を起こしにくいということでもあります。
さらに、野性肉は高たんぱく・低脂肪で、炎症を引き起こしにくい構造を持っているため、皮膚炎や消化器トラブルに悩むフレンチブルドッグにも非常に相性が良いとされています。
WANMARTなら、選べる生肉・選べるふりかけ
WANMARTでは、こうした特性に合わせて複数の生肉・ふりかけを展開しています。たとえば:
馬肉(赤身肉・鉄分豊富・高たんぱく)→筋肉維持やスタミナサポートに。若い子・アクティブな子におすすめ。
ラム肉(低アレルゲン・中脂肪)→アレルギーが出やすい子の“ベース食”にぴったり。
カンガルー肉(超高たんぱく・超低脂肪)→ダイエットや皮膚炎対策に。食物アレルギーのある子にも安心。
ふりかけ(マグロ・牡蠣・緑イ貝など)→関節・皮膚・食欲など、気になるケアポイントに応じて選べる。
いちばん大切なのは「ローテーションと観察」
どんな食材も「これだけをずっと与えればOK!」というものではありません。
フレンチブルドッグの体はデリケートだからこそ、複数のタンパク源をローテーションしながら与えることで、栄養の偏りやアレルギーリスクを減らすことができます。
そして何より大切なのは、「うちの子に合っているかどうか」を常に観察すること。 毛艶、うんちの状態、口臭、目ヤニ…そうした日々の小さなサインが、ワンちゃんの体調を教えてくれます。
食事は愛情のかたち。だからこそ、「おいしくて、体にやさしいごはん」を通して、フレンチブルドッグの健やかな毎日を守ってあげましょう。

2. 運動:無理せず、でもしっかり!
フレンチブルドッグは、一見“のんびり系”の印象がありますが、実は適度な運動がとても大切な犬種です。 とはいえ、他の犬種のように走り回ったり、長時間の運動が得意というわけではありません。 骨太で筋肉質、かつ短頭種(鼻ぺちゃ)で呼吸がしづらい体の構造を持っているため、運動の「やりすぎ」も「やらなさすぎ」もNGなのです。
特に注意したいのが「肥満」。
フレブルは太りやすく、一度体重が増えると戻すのが難しい犬種でもあります。関節や背骨に負担がかかりやすい体型でもあるため、ほんの1〜2kgの増加が将来の「ヘルニア」や「膝蓋骨脱臼(パテラ)」の引き金になりかねません。
▶ 理想的な運動量と内容
フレンチブルドッグの運動は、“長く・激しく”ではなく、“短く・穏やかに”が基本です。
朝・夕の散歩(各15〜20分程度) →無理に距離を伸ばさず、においを嗅いだり、景色を眺めたりの「のんびり散歩」でOK。
引っ張りっこ・宝探し・追いかけっこなどの室内遊び →筋肉の維持やストレス発散に。おもちゃを使って楽しく!
階段や段差の昇降、ジャンプは避ける →腰や膝を守るために、ベッドやソファの周囲にスロープを設置してあげましょう。
また、運動後の呼吸音や舌の色(青くなっていないか)をよく観察して、無理がなかったかチェックする習慣を持つと安心です。
▶ 暑さに極端に弱いフレンチブルドッグのために
特に注意すべきは「夏場の運動」。
フレンチブルドッグは、短頭種特有の呼吸のしにくさと、皮膚からの発汗ができない犬の特性を併せ持っているため、熱がこもりやすく、熱中症のリスクが非常に高いのです。
夏は以下のような工夫を徹底しましょう。
散歩は早朝・夜の涼しい時間帯限定
アスファルトの温度チェック(手のひらで5秒ルール)
保冷剤入りのバンダナや冷感ベストの活用
飲み水をこまめに持ち歩き、クールダウンを忘れずに
暑さに少しでも違和感を覚えたら、「今日はお休み」にする勇気も大切です。
そのぶん、室内でのおもちゃ遊びや“知育トイ”での頭の運動を取り入れるなど、無理のない代替方法を探しましょう。
▶ 冬場は「動かない」より「温かく動かす」
一方、冬になると寒さで動きが鈍くなりがちですが、実はフレンチブルドッグは寒さにもそこまで強くありません。
特にシニア期になると筋肉の衰えが進みやすく、運動量が減るとさらに体力が落ちていく悪循環になりかねません。
冬は:
短時間でも毎日歩く習慣をキープ
冷え込む日は洋服(防寒ウェア)を着用
室内に滑り止めマットを敷き、筋肉の衰えを防ぐ運動を取り入れる
▶ 「質の良い運動」が長生きの秘訣
フレンチブルドッグは、「ただ運動させればいい」という犬種ではありません。 大切なのは、その子の体力・気温・体調を考慮しながら、“ちょうどよく”動かしてあげることです。
お散歩から帰ったあとにぐっすり眠る姿や、「もっと遊ぼうよ」とオモチャをくわえてくる表情…。
そうした日常のワンシーンの中に、運動がもたらす心の豊かさが表れます。
無理せず、でもしっかりと。フレンチブルドッグの運動は、“健康としあわせ”をつなぐ大切な時間です。

3. お手入れ:見た目以上に“デリケート”!
一見、短毛で手がかからなそうなフレンチブルドッグ。 ですが実際には、皮脂が多く、皮膚トラブルも起きやすいため、こまめなお手入れが健康維持に直結します。
▶ 基本のお手入れポイント
しわの間のケア:週2〜3回、清潔なコットンやウエットティッシュで拭く
耳掃除:週1回、専用クリーナーで軽く(奥まで突っ込まない)
シャンプー:月1〜2回。皮膚に合った低刺激の製品を使う
ブラッシング:2〜3日に1回。マッサージを兼ねて短時間でOK
嫌がる子も多いので、「お手入れ=気持ちいい時間」と覚えてもらうのがコツです。終わったら大げさに褒めてあげたり、ごほうびのおやつを使うのも効果的ですよ。
4. 住環境:安心・快適に暮らすための工夫
フレンチブルドッグは、暑さ・湿気・段差・滑りやすい床…すべてがリスク要因です。そのため、住環境の整備が他の犬種以上に重要となります。
▶ 実践したいポイント
フローリングにはラグや滑り止めマットを敷く
エアコンは夏も冬も“控えめで24時間運転”がおすすめ
ケージやベッドは静かで風通しのよい場所に
段差の上り下りは最小限に。ソファの上り防止策を
「過保護すぎるかな?」と思うくらいがちょうどいいです。 それだけフレンチブルドッグは“室内で大切に暮らすタイプ”の犬種といえます。
“ひと手間”をかけることで、大きな安心につながる
食事、運動、お手入れ、住環境。どれも一見シンプルなことですが、それぞれに「フレブル流のコツ」があるということがおわかりいただけたかと思います。
でも、それってつまり――「ちょっと手間がかかるけど、全部が愛おしい」ということでもありますよね。
この子のことを考えて、食事を用意し、マットを敷き、お顔をふいてあげる。 そのたびに、フレンチブルドッグはとびっきりの愛嬌で応えてくれる。だからこそ、このひと手間が“喜び”に変わるのです。
長く健康に一緒に過ごすために
フレンチブルドッグの平均寿命は10〜12年とされ、同じ小型犬の中ではやや短めです。 その理由には、呼吸器の弱さ(短頭種気道症候群)、皮膚や関節のトラブル、暑さへの極端な弱さなど、構造的に抱えやすい体の不調が関係しています。
日々の気温管理、食事の内容、運動量の調整、皮膚や耳のお手入れ…。
フレンチブルドッグと暮らすということは、毎日少しだけ“気をつかう生活”でもあります。
けれど、そんな手間をまったく苦に感じさせないのが、彼らの最大の魅力です。 人懐っこくて甘えん坊で、くったくのない笑顔を見せてくれて、まるで「人間の子ども」のように飼い主の心にすっと入り込んできます。
喜びも寂しさも全身で表現してくれる姿に、自然と「守ってあげたい」という気持ちが湧いてくるのです。
だからこそ、フレンチブルドッグとの暮らしは特別な時間の連続。
その一日一日が濃密で、記憶に残りやすく、どんなに短くとも「長く生きたような気がする」と語る飼い主さんも少なくありません。
手がかかる。でも、それを上回るほどの深い愛情と絆が育まれる。 それがフレンチブルドッグという存在です。 飼い主のちょっとした気配りや、日々の観察がこの子の寿命をのばすことにもつながります。だからこそ、手間を惜しまず、思いきり愛してあげてください。 フレンチブルドッグは、そのすべてを全力で受け止めてくれる、かけがえのない家族です。

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